【過去問解説(経済学)】H27 第14問  予算制約線と効用最大化

今日は、経済学 H27 第14問 について解説します。

 経済学 H27 第14問

いま、2つの財、財 X1 と財 X2 を消費可能な個人の効用最大化行動を考える。
当該の個人は、所得 80 を有し、財 X1 の価格は2、財 X2 の価格は4という条件のもとで、効用が最大になるよう財 X1 の消費量 x1 と財 X2 の消費量 x2 とを組み合わ
せることができる。
この個人の効用関数は U =x1x2 と与えられており、合理的な
当該個人は、x1 = 20、x2 = 10 という組み合わせを選択することが分かっている。
下図では、縦軸の切片 a と横軸の切片 b とを結ぶ予算制約線と無差別曲線 U の接点として、効用最大化の行動が図示されている。
この状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア この個人は、所得 80 の使い道として、x1 = 20、x2 = 10 以外の組み合わせを選択することで効用を一層高める余地が残されている。
イ 財 X2 の消費量がゼロならば、財 X1 を 30 消費することで所得 80 を使い切ることができる。
ウ 縦軸の切片 a の値は、財 X1 の価格に応じて変化する。
エ 無差別曲線 U 上の財の組み合わせ(x1,x2)では、いずれも効用水準が 200で一定である。

解説

予算制約線に関する問題です。
予算制約線については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきます。

:誤りです。
効用が最大となるのは無差別曲線と予算制約線の接点となります。
x1 = 20、x2 = 10でこの条件を満たしているため、これ以上効用を高める余地は残されていません。
よってこの選択肢は誤りです。

:誤りです。
所得 80かつ財 X1 の価格は2、財 X2 の価格は4という条件から、以下の式が成り立ちます。
→80=2×X1の消費量+4×X2の消費量

この式に「財 X1の消費量=30」「財 X2 の消費量=ゼロ」を当てはめます。
→80=2×30+4×0

となり、左辺が80、右辺が60で式が成り立ちません。
よってこの選択肢は誤りです。

 

:誤りです。
縦軸の切片は全ての資源をX2に割り振ったときのX2の消費量になります(つまりX1の消費量0のとき)。
予算は決まっていますので、X2を消費できる量はX2の価格によって変化します(価格↑消費量↓ or 価格↓消費量↑)。
X2を消費できる量によって縦軸切片aの値が変化するため、縦軸切片 a の値は財X1ではなく 財X2 の価格に応じて変化します。

よって、この選択肢は誤りです。

:正しいです。
無差別曲線上では効用が等しくなるため、全ての無差別曲線 U 上の全ての材の組み合わせで効用が一定になります。
x1 = 20、x2= 10が交わる点も 無差別曲線 U 上にあるため、無差別曲線 U 上の全ての効用水準は 20×10=200で一定といえます。
よってこの選択肢は正しいです。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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