今日は、経済学・経済政策のR6第19問について解説します。
家計が消費する財・サービスは、①消費が競合するかどうか(競合性)と、②対価を支払わない人の消費を排除できるか(排除可能性)に基づき、下表のとおり4つに分類できる。表中のAとBに入る財・サービスの例として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア A:公海に生息する魚介類
B:混雑現象を伴わない有料道路
イ A:公海に生息する魚介類
B:晴れた日の日光浴
ウ A:晴れた日の日光浴
B:有料配信のオンライン視聴サービス
エ A:有料配信のオンライン視聴サービス
B:混雑現象を伴わない有料道路
オ A:有料配信のオンライン視聴サービス
B:晴れた日の日光浴
解説
公共財に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
財は、ある人が消費すると別の人の消費が減るかどうかという競合性と、対価を払わない人も使えるかどうかという排除性という観点から、私的財、クラブ財、共有資源、公共財に分類できます。
競合性と排除性があるのが、食料品や衣料品のような私的財、競合性はない(非競合性)ものの排除性はあるのが、ネットフリックスなどの有料配信サービスや映画配給のようなクラブ財、競合性はあるものの排除性はない(非排除性)が、水産資源や木材、一般道路のような共有資源、競合性も排除性もない(非競合性、非排除性)のが、国防や警察、消防のような公共財です。また、非競合性・非排除性どちらか一方のみの性質を持つ財を準公共財と呼びます。
公共財はその性質から、対価を払わずにタダ乗り(フリーライド)しようとする人々が現れやすいため、市場の取引に任せていると過少供給に陥りやすい財です。それを防ぐため、公共財は国や公的機関によって供給されることが多くなっています。
また、共有資源は、市場に任せると過剰消費されてしまう共有地の悲劇が起こる場合があります。共有地の悲劇への対策としては、有償の許可や課税などの方法があります。
Aは「競合しない・排除可能」の組み合わせなので、クラブ財となります。選択肢の例で言うと「有料配信のオンライン視聴サービス」が該当します。
Bは「競合する・排除不可能」の組み合わせなので、共有資源となります。選択肢の例で言うと「公海に生息する魚介類」や「混雑現象を伴わない有料道路」が該当します。
なお、「晴れた日の日光浴」は競合も排除もありませんので、私的財に該当します。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
選択肢イ:誤りです。
選択肢ウ:誤りです
選択肢エ:その通りです
選択肢オ:誤りです
以上から、正解は選択肢エとなります。
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