【過去問解説(経済学・経済政策)】R5(再試) 第16問 費用関数

今日は、経済学・経済政策 R5(再試) 第16問について解説します。

経済学・経済政策 R5 (再試)第16問

 

 

解説

費用関数に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

・利潤最⼤の条件をグラフにすると、⽣産量xに対するMC(x)、AC(x)、AVC(x)のグラフです。図に⽰す通り、限界費⽤曲線MC(x)は、平均費⽤曲線AC(x)、平均可変費⽤曲線AVC(x)の最⼩点を通っています。AC(x)、AVC(x)はそれぞれ、原点、切⽚からC(x)に引いた直線がC(x)に接するときに最⼩となり、限界費⽤MC(x)は⽣産量xにおける費⽤曲線C(x)の接線の傾きを表し、AC(x)、AVC(x)が最⼩となるときの接線も含まれるためです。

・MC(x)、AC(x)、AVC(x)の3つのグラフを描くと漢字の「⼿」のような形になります。このグラフを描く場合は、①限界費⽤曲線MC(x)を描き、②MC(x)との交点が最⼩の値となるような
AVC(x)を描き、③AVC(x)の上にMC(x)との交点が最⼩の値となるようなAC(x)を描きます。このグラフで考えると、企業はMC(x)=Pとなる⽣産量だけ⽣産を⾏いますので、企業の総収⼊はP×xとなり図の「総収⼊」の枠で囲った⾯積の分となります。また、総費⽤はMC(x)=Pとなるxのときの1単位当たりの平均費⽤に⽣産量xを掛けたもので、図の「総費⽤」の枠で囲った⾯積です。同様に可変費⽤の総額は、図の「可変費⽤総額」の枠で囲った⾯積です。
・次にPが変化した場合、MC(x)=PとなるPがACよりも⼤きいときは⿊字になり、MC(x)=PとなるPがACよりも⼩さくなった場合は、総収⼊<総費⽤となり⾚字となります。そのため、MCとACの交点は⾚字と⿊字の分かれ⽬、つまり損益分岐点となります。

・さらにPが⼩さくなり、MC(x)=Pとなる⽣産量がAVCよりも⼩さくなった場合は総収⼊が可変費⽤総額を下回ることになります。このとき、固定費⽤はもちろん可変費⽤すら回収できなくなるので、企業は⽣産するだけ⾚字が拡⼤することになり、操業を⽌めた⽅が得になります。そのため、MCとAVCの交点は操業をするかどうかの分かれ⽬、つまり操業停⽌点となります。なお、価格と企業の製品の供給量を表した供給曲線はこの限界費⽤曲線の右上がりの部分のうち、操業停⽌点より価格が上の部分を簡略化して表現したもので、製品の価格が上がれば企業は⽣産量を増やすといった関係を⽰すことができます。

 

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:a,bが誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:a,b,cが誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:aが誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:cが誤りです。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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