【過去問解説(経済学・経済政策)】R5 第7問 45度線分析

今日は、経済学・経済政策 R5 第7問 について解説します。

経済学・経済政策 R5 第7問 

 下図は、45 度線図である。この図において、総需要は AD = C + I(ただし、AD は総需要、C は消費支出、I は投資支出)、消費関数は C = C0 + cY(ただし、C0 は基礎消費、c は限消費性向(0 < c < 1)、Y は GDP)によって表されるとする。この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

解説

 45度線分析 に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

 

45度線分析

好景気のときは消費や投資が増加し、財の需要が増加するためGDPは増加しますが、不景気のときは消費や投資が減少し、財の需要も減少しGDPは減少します。このように、財の需要の⼤⼩によってGDPの⼤⼩も決まるという原理を有効需要の原理といいます。45度線分析は、財の需要と供給の関係から、有効需要の原理を説明するために考案されたものです。まず、財の総供給、つまり⽣産⾯から⾒たGDPについて考えます。GDPは⽣産額に等しいため、財の総供給YSは以下のように表せ、傾きが45度となるので45度線と呼びます。
YS=Y ・・・①
次に、財の総需要、つまり⽀出⾯から⾒たGDPについて考えます。⽀出⾯から⾒たGDPである財の総需要YDは「9. GDPと物価」シートでも説明の通り、以下のように表せます。
GDP=YD=C+I+G+EX−IM ・・・②
C:消費 I:投資 G:政府⽀出 EX:輸出 IM:輸⼊ここでは検討を単純化するため閉鎖経済、つまり外国との取引がない場合についてて考えます。外国と取引がない場合、輸出⼊は0なので、EX−IM=0となります。
また、消費⽔準はケインズ型消費関数に依存するものとして計算します。ケインズ型消費関数は、絶対所得仮説とも呼ばれ、消費Cは、所得とは関係なく⽣きていくために最低限必要な消費⽔
準である独⽴消費C0と、所得の増加に⽐例して増加する消費cYからなるとして、消費Cと所得Yの関係を以下のような関数として表したものです。

 

基本的な知識を思い出した上で、選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。

 

以上から、正解は選択肢エとなります。

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