今日は、企業経営理論の H29 第35問について解説します。
他者や他者集団が消費者行動に与える影響に関する記述として、最も適切なものどれか。
ア 準拠集団とは、消費者の態度や行動の形成に影響を与える所属集団のことである。
イ 消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えたいと考えるとき、消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たす。
ウ 他者の購買に影響を与えるオピニオンリーダーは、新製品をいち早く購入するイノベーターと呼ばれる人々であることが多い。
エ 人の目に触れる場で使用される製品より、人の目に触れない場で使用される製品の方が、ブランド選択における他者集団の影響が大きい。
解説
消費者行動に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。準拠集団とは、消費者の購買行動に影響する要因の1つで、人の価値観や行動に強い影響を与える集団のことをいいます。準拠集団には、その人が所属している所属集団だけでなく、所属していない非所属集団も含まれます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。少し判断に迷いますが、強いつながりですと「広く」情報を伝えることに限界があります。むしろつながりが弱くてもSNSなどの発達などが情報を「広く」伝える上で重要な役割を果たしています。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:誤りです。他者の購買に影響を与えるオピニオンリーダーは、アーリーアダプター(初期採用者)と呼ばれます。
まとめシートで以下の通り解説しています。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。一般的に、価格が低く購買頻度が高い必需品は関与が低く、価格が高く購買頻度が低い非必需品は関与が高くな
ります。また、必需品よりも非必需品の方がカテゴリの選択において準拠集団の影響を受けやすくなります。そのため、スーツのように外部から見られやすいものの方が、下着のように外部から見られにくいプライベートなものより関与が高くなります。なお、外部から見えやすいものはブランドの選択において準拠集団の影響を受けやすくなります。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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