【過去問解説(経営法務)】R6 第24問 不法行為

今日は、経営法務のR6第24問について解説します。

 R6 経営法務 第24問

民法上の不法行為に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 慰謝料請求権は、身体または自由が侵害された場合には認められるが、財産権または名誉が侵害された場合には認められない。
イ 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合において、使用者が当該第三者に対して使用者責任を負うときは、被用者は当該第三者に対して不法行為責任を負わない。
ウ 不法行為に基づく損害賠償債務は、被害者による催告を要することなく、当然に遅滞に陥る。
エ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、不法行為の時から 10 年間行使しないときは、時効によって消滅する。

解説

不法行為に関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。
慰謝料請求権は、身体または自由が侵害された場合のみならず、財産権または名誉が侵害された場合にも認められます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。
被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合、使用者が当該第三者に対して損害を賠償する使用者責任を負います。例えば、建設現場での工事中に従業員が過失で通行人に怪我をさせてしまった場合、会社は被害者に使用者責任として損害賠償をしなければなりません。
ただし、被用者の当該第三者に対する不法行為責任が免責されるわけではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。
不法行為が発生した時点で損害賠償債務が生じるため、金銭で支払うべき債務については、その時から遅延損害金が発生するとされています。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。
不法⾏為に基づく損害賠償請求権の時効は、①損害及び加害者を知った時から 3 年もしくは、②不法⾏為の時から 20 年のいずれか早い方です。
⽣命・⾝体が侵害されたことによる損害賠償請求権の時効は、①損害及び加害者を知ったときから 5 年もしくは、②不法⾏為のときから 20 年で成⽴します。
なお、天災その他避けることのできない事変があったときは、その障害消滅時から 3 ヵ⽉を経過するまで時効は完成しません。

よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

 

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