【過去問解説(経営法務)】H29 第13問 不正競争防止法

今日は経営法務のH29第13問について解説します。

H29 経営法務 第13問

第13問
不正競争に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、自己の氏名を使用する行為は不正競争になることはない。

イ 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一の商品等表示を使用する者がその商品等表示を使用する行為は不正競争になることはない。

ウ 日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡する行為は不正競争になることはな
い。

エ 不正の手段により取得した技術上の秘密を使用する行為に対する差止請求権が時効によって消滅した後に当該使用行為に基づいて生じた物の譲渡行為は不正競争になることはない。

解説

不正競争に関するに関する問題です。

今回は、少し細かい部分が問われていたので、できなくても仕方ない面があるかと思います。
それでは、早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、自己の氏名を使用する行為は普通は不正競争になることはありません。そのため特に問題はなさそうです。念のため他の選択肢も見ていきます。

選択肢イも、特に問題はなさそうです。こちらも一旦パスして次の選択肢を見てみます。

選択肢ウも、日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過する前の商品については、模倣した商品を譲渡する行為は不正競争の商品形態模倣行為にあたりますが、三年を経過した商品は商品形態模倣行為にはあたりません。そのため特に問題はなさそうです。こちらも一旦パスして次の選択肢を見てみます。

選択肢エは、知らないと判断が難しそうですが、差止請求権が時効によって消滅した後に譲渡する行為とありますので、特に問題はなさそうです。

一旦ざっと見ましたが、どれも問題なさそうでした。
ですので、もう少し考えてみます。

選択肢ア、イは、「不正競争になることはない」と書かれていますが、確かに通常では不正競争にならないものの、不正に利益を得たり、他の人に損害を与える目的で自己の名前や商品等表示を使った場合は不正競争になることがあります。
よって、選択肢ア、イは誤りとすることができます。

また、選択肢ウについても、商品形態模倣行為にはあたりませんが、模倣した商品が著名なものであれば、著名表示冒用行為にあたるので不正競争行為になってしまいます。よって、選択肢ウも誤りです。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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