今日は、経営法務のR3 第2問について解説します。
民法が定める消費貸借に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)により改正された民法が適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとする。
ア 金銭の消費貸借契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされたとしても、その消費貸借は、諾成的消費貸借契約としての効力を有することはない。
イ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、貸主から金銭を受け取る前に借主が破産手続開始の決定を受けたときは、当該消費貸借は、その効力を失う。
ウ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、借主は、貸主から金銭を受け取る前であっても、当該契約を解除することはできない。
エ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、当該契約書に返還時期を定めたときは、借主は、当該返還時期まで、金銭を返還することはできない。
解説
消費貸借契約に関する問題です。
まとめシートでも触れていますが、⺠法その他は会社法や知的財産権よりは優先度は低いので、まずは会社法や知的財産権をしっかり押さえてください。
一方、本問は民法に関する知識があまりなくてもある程度選択肢が絞り込めそうなので、民法の学習に進む場合はこのレベルの問題が正解できるればよいでしょう。
それでは選択肢をみていきましょう。
法律特有の言い回しになっているのでざっくりとかみ砕いて説明します。
選択肢ア:電磁的記録とは電子メールのことなどです。つまり、メールなどに記録された消費貸借契約は効力をもつか、ということですが、電磁的記録であっても効力をもちます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。ちなみに、金銭の受け渡しが行われる前に、貸主か借主のどちらか一方でも破産手続きが行われた場合はこの消費賃貸契約は効力を失います。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:お金の貸し借りが行われる前に契約解除を行えるかどうか、ということですが解除することはできます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:お金の借主は返済期限より前にお金を返してよいか、ということですが返済日までであれば原則いつでも返すことはできます。(例外として返済日までに返済することによって貸主に損害が出る場合は除く)
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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