【過去問解説(法務)】H27 第8問 商標

今回は、H27年経営法務の第8問について解説します。

 

H27 第8問

商標制度に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標であっても、先に登録された商標と同一であれば商標権の侵害となる。
イ 商標の更新登録の申請の際には、審査官による実体審査はなされない。
ウ テレビやコンピュータ画面等に映し出される変化する文字や図形は商標登録される場合はない。
エ 文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標が商標登録される場合はない。

解説

商標に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

 

選択肢アは、そもそも先に登録された商標と同一であれば商標として登録されないはずです。そのため、この選択肢は×と考えられます。

ちなみに、商標法には

第二十六条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。

一 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標

とも書かれているため、自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標は商標権の侵害にはなりません。

 

選択肢イはその通りで、商標の更新時は実体審査はされません。

 

選択肢ウ、エに関しては、平成27年の法改正で動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標といった新しい商標が登録の対象となりました。そのための選択肢ウの「テレビやコンピュータ画面等に映し出される変化する文字や図形」も動きの商標として登録される可能性がありますし、選択肢エの「文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標」も登録される可能性があります。

 

以上から正解は選択肢イとなります。

 

 

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