今日は情報のH24第12問について解説します。
物品の販売サイトをインターネット上で運営する場合、利用者の利便性を考慮した販売サイト構築が必要である。そのためには、運営するサーバの特性と顧客が所有するPC上での商品購入のための操作のかかわりを把握する必要がある。
販売サイトを運営するためのサーバや顧客が利用するPCに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 顧客PCへデータを渡して処理を行う仕組みではなく、販売側のサーバで必要な処理を行った結果を、顧客PCへと返す仕組みで販売サイトを運営すれば、販売側のデータの外部への流出は発生しない。
イ 顧客の商品購入の操作に対して、期待した時間内に応答が得られない場合は、顧客のPCを演算処理能力の高い機器に替える必要がある。
ウ 販売側のウェブサーバで顧客からの商品購入依頼について処理した結果を、顧客側PCで表示させるためには、顧客PCのウェブブラウザには販売側のウェブサーバから提供されるバーチャルマシン機能をあらかじめ組み込んでおく必要がある。
エ 販売側のサーバで非同期通信の仕組みを取り入れれば、顧客のPC画面上で商品画像の上にマウスカーソルを移動させるとその商品説明が表示されるなどの、動的な表示を行うことができる。
解説
販売サイトの構築に関する問題です。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アでは、顧客PCへデータを直接渡さずに処理後の結果を渡すことで「販売側データの外部流出は発生しない」とありますが、そのような方式を取っていても、サーバーへの不正アクセスによって顧客情報などが外部流出した事例は多くあります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イにある「時間内に応答が得られない」理由としては、ネットワーク回線の混雑やサーバーへの集中的なアクセスなどもあり、顧客PCの演算処理能力を改善しても解決できない可能性があります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウでは「バーチャルマシン機能が必要」とありますが、通常のWebサイトを閲覧するためにはWebブラウザがあれば良く、専用アプリケーションのインストールは不要です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エにある「商品画像の上にマウスカーソルを移動させるとその商品説明が表示されるなどの動的な表示」を実現するには、Ajaxの非同期通信の仕組みが必要です。Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)は、JavaScriptとXMLを使って非同期にサーバとの間の通信を行うことで画面遷移のない動的な表示を実現します。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢エとなります。