今回の経営情報システムの問題解説は、システム構成技術から信頼性評価に関する問題についてです。
信頼性評価に関する用語は、情報システム・運営管理それぞれで出題される可能性がある問題です。
H29 情報 第13問
業務に利用するコンピュータシステムが、その機能や性能を安定して維持できるかどうかを評価する項目として RASIS が知られている。
これらの項目に関連する以下の文章の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。コンピュータシステムの信頼性は、稼働時間に基づいた[A]で評価することができ、この値が大きいほど信頼性は高い。
コンピュータシステムの保守性は、修理時間に基づいた[B]で評価することができ、この値が小さいほど保守が良好に行われている。
障害が発生しないようにコンピュータシステムの点検や予防措置を講ずることは[C]と[D]を高める。また、システムを二重化することは、個々の機器の[C]を変えることはできないがシステムの[D]を高めることはできる。
[解答群]
ア A:MTBF B:MTTR C:信頼性 D:可用性
イ A:MTBF/(MTBF+MTTR) B:MTBF C:安全性 D:可用性
ウ A:MTBF/(MTBF+MTTR) B:MTTR C:信頼性 D:保全性
エ A:MTTR B:MTBF/(MTBF+MTTR) C:安全性 D:保全性
この問題はRASISの指標が何かということがわかっていれば確実に取れる問題です。
RASISとは、まとめシートでも解説しておりますが、システムの信頼性を評価する観点として、信頼性(Reliability)、可用性(Availability)、保守性(Serviceability)、完全性(Integrity)、安全性(Security)という5つの観点があり、その頭文字を取ったものです。
そして、
信頼性は、MTBF(Mean Time Between Failure、平均故障間隔)
可用性は、稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)
保守性は、MTTR(Mean Time To Repair)
の指標で表されます。
以上から空欄AにはMTBFが、空欄BにはMTTRが入り、これに当てはまるのは選択肢アなのでCDを考慮する前に選択肢アに絞ることができました。
念のため空欄Cに信頼性を、空欄Dに可用性を入れて文章を読んでみても特に違和感はないので、正解は選択肢アとなります。
H29の経営情報システムでは、他にもこのように一部の空欄がわかれば選択肢を絞ることができる問題が出題されています。
このような問題はサービス問題として確実に取れるようにしておきたい問題です。
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