【過去問解説(情報)】H25 第21問 システム構成技術

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今回は経営情報システムのH25年第21問について解説します。

H25 情報 第21問

ある中小企業では、過去、様々な業務を1台のホストコンピュータで処理する集中処理システムを構築してきた。それを現在のビジネス環境に適応できるように、クライアントサーバシステムやクラウドコンピューティングを利用して分散処理するシステムに移行したいと考えている。この企業における分散処理システムの導入の仕方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 今までの集中処理システムのうち、分散処理システムに移行しやすいアプリケーションを選択して、分散処理対応アプリケーションを開発し、それを稼働させるとともに、旧システムも復活できるようにしておけば、万が一の不具合にも対応できる。
イ 今までの集中処理システムをすべて廃棄し、クライアントサーバシステムに移行して、最も良く売れているERPパッケージに置き換えれば、この企業の業務は容易に現在のビジネス環境に対応できる。
ウ 今までの集中処理システムを入出力部分とデータ処理部分に切り分け、データ処理部分を、アプリケーションごとにクラウドコンピューティングを行う業者に移管すれば、業務を中断することなく、現行のシステムを分散処理システムへ円滑に移行できる。
エ 集中処理システムから分散処理システムへの移行で大きな問題となるのは、外字コードが集中処理システムのアプリケーションの中に埋め込まれてしまっていることである。従って、その外字コードを削除すれば、分散処理対応アプリケーションへの移行は円滑に行うことができる。

解説

システムの移行に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、特に問題はありません。
システム移行の場合、全部を一度に移行するのではなく、徐々に移行することはよくあります。また、システムの移行が完了するまでは、旧システムも活かしておくことは、新システムが上手く動かなかったときのための手段として有効です。

念のため、残りの選択肢も見ていきましょう。

選択肢イは、システム移行が完了する前に旧システムをすべて廃棄してしまうと、トラブルが起こった場合に対応が困難になります。また、「最も良く売れているERPパッケージに置き換えれば、この企業の業務は容易に現在のビジネス環境に対応できる」とありますが、会社の業務によって合うERPパッケージは異なってくると考えられますし、「容易に現在のビジネス環境に対応できる」とは断言できません。
よって、この選択肢は×と判断できます。

選択肢ウは、クラウドシステムを利用する場合、入出力部分とデータ処理部分に切り分けて移管するというのは、一般的にあまり行われることはありません。もしかしたらできるかもしれませんが、「現行のシステムを分散処理システムへ円滑に移行できる」と断言するのは難しいと考えられます。
よって、この選択肢は×と判断できます。

選択肢エは、集中処理システムから分散処理システムへの移行で、確かに文字コードの違いで問題が生じることはあるかもしれません。
ただ、システムの移行にはそれ以外の問題も数多くあり、文字コードの問題さえ解決すれば、システム移行が円滑にできるかのように書かれているこの選択肢は×と考えられます。

以上から、正解は選択肢アとなります。

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