今日は、企業経営論のR6第4問について解説します。
以下の表は、企業Xのある年度の各事業の状況を示している。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の枠組みから示唆される記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
事業名 | 売上高 | 市場シェア | 市場成長率 |
事業A | 300億円 | 15%(業界3位) | 25% |
事業B | 3,000億円 | 45%(業界1位) | 5% |
事業C | 200億円 | 5%(業界5位) | 5% |
事業D | 1,600億円 | 55%(業界1位) | 25% |
ア 事業Bは、成長余地がないので、できるだけ速やかに事業清算を行う。
イ 事業Dは、市場シェアや競争力の維持のために事業からの収益を自事業に再投資する。
ウ 最も売上高の大きい事業Bから資金を投じ、事業Cを育成する。
エ 最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを生むための技術供与を行い、事業Aを育成する。
オ 最も市場シェアの高い事業Dから資金を投じ、事業Cを育成する。
解説
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
まずは事業A~DがPPMの「花形」「問題児」「金のなる木」「負け犬」のどれにあたるのかを見ていきます。
事業Aは、相対的市場シェアが低く、市場成長率が高いです。よって「問題児」です。
事業Bは、相対的市場シェアが高く、市場成長率が低いです。よって「金のなる木」です。
事業Cは、相対的市場シェアが低く、市場成長率が低いです。よって「負け犬」です。
事業Dは、相対的市場シェアが高く、市場成長率が高いです。よって「花形」です。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
事業Bは「金のなる木」です。成長余地がないのは正しいですが、企業の資金源となるため事業清算を行うべきではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。
事業Dは「花形」です。市場シェアや競争力の維持のために事業からの収益を自事業に再投資する必要があります。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:誤りです。
事業Bは「金のなる木」であり、最も売上高の大きい事業Bから資金を投じるのは正しいです。
ただし、事業Cは「負け犬」であり撤退を検討する事業です。
「金のなる木」からの資金を投じて育成するべきは「問題児」である事業Aです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。
PPMは財務資源の観点のみで考えられた枠組みであるため、各事業間のシナジーは考慮されません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。
最も市場シェアの高い事業Dは「花形」であり、資金を自身に再投資してシェアを維持する必要があります。
別事業に投資する資金源となるのは「金のなる木」である事業Bです。
また、事業Cは「負け犬」であり撤退を検討する事業です。
「金のなる木」からの資金を投じて育成するべきは「問題児」である事業Aです。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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