今日は、企業経営理論のR6 第3問について解説します。
ある企業では4つの事業を展開している。以下は、各事業(①~④)の事業内容とある年度における売上高である。製品Aと製品B、部品Cは技術的に関連しているものとする。
① 製品A事業:960億円
② 製品B事業:10億円
③ 部品C(製品Aの原材料の1つ)事業:20億円
④ 不動産事業:10億円
R.ルメルトの多角化の分類に基づいたこの企業の多角化の程度として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
なお、この多角化の分類では、多角化企業は以下の基準で分類されるものとする。
・専門化率が95%以上のものは単一事業企業
・専門化率が95%未満で垂直率が70%以上のものは垂直的主力事業企業
・専門化率と垂直率が70%未満で関連率が70%以上のものは関連事業企業
・専門化率と垂直率、関連率のいずれもが70%未満のものは非関連事業企業
〔解答群〕
ア 関連事業企業
イ 垂直的主力事業企業
ウ 単一事業企業
エ 非関連事業企業
解説
多角化に関する問題です。
専門化率とは、単位事業の売上高が企業全体でどれだけを占めているかの比率であり、一つの事業分野への特化度合いを示します。本問の場合、専門化率は、製品A事業の売上高を総売上高で割ることで求めることができます。
垂直率とは、垂直統合的関連のある単位事業グループの売上高が企業全体でどれだけを占めているのかの比率であり、企業の垂直統合度を示します。本問では、垂直的な関係にある製品A事業と部品C事業の売上高を総売上高で割ることで求められます。
関連率とは、技術的に関連しているグループの売上が企業全体でどれだけを占めているのかの構成比率です。本問では、不動産事業以外の売上高を総売上高で割ることで求められます。
上記より
専門化率=960÷1,000=96%
垂直率=(960+20)÷1,000=98%
関連率=(960+10+20)÷1,000=99%
となります。
設問文より、専門化率が95%以上のものは単一事業企業に分類されます。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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