【過去問解説(企業経営理論)】R5 第2問 リソースベースドビュー(RBV)

今日は、企業経営理論のR5第2問について解説します。

 令和5 企業経営理論 第2問

 J. B.バーニーが提唱した「VRIOフレームワーク」に則った記述として、最も適切なものはどれか。

ア 外部環境の機会を適切に捉えた価値がある経営資源であれば、業界内において希少でなくても、持続的な競争優位の源泉となる。
イ 価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源を保有していても、それが組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない。
ウ 価値が高く、業界内で希少な経営資源では、一時的な競争優位を得ることはできない。
エ 業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、競争優位性を持続的に確立できないことがある。

解説

リソースベースドビューのひとつで、強みを見つける「VRIO」フレームワークに関する問題です。
以下の4つの区別をつけておきましょう。

・V:Value 経済価値
・R:Rarity 希少性
・I:Inimitability 模倣困難性(真似されにくいこと)
・O:Organization 組織

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。
R(希少性)が無ければ誰でも入手可能となるため、持続的な競争優位の源泉となることができません。

よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。
イではV(経済価値)、R(希少性)、I(模倣困難性)があり、持続的優位の源泉を獲得できている状態です。
ただし、O(組織)を満たせておらず宝の持ち腐れ状態となっています。
経営資源の見直しもひとつの方法ではありますが、組織構造自体を変革することも有効です(二次試験事例Ⅰで良く問われる)。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。
V(経済価値)、R(希少性)があれば一時的な競争優位を得ることはできます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。
V(経済価値)、R(希少性)、I(模倣困難性)があれば持続的な競争優位の源泉となります。

ただし、組織でそれを活かす体制が出来ていなければ宝の持ち腐れとなり、持続的な競争優位の確立までには至りません。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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