今日は、企業経営理論のR5(再試)第6問について解説します。
ファミリービジネスを分析するときに使われるフレームワークに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 4C モデルでは、高い永続性をもつファミリービジネスから抽出した 4 つの特性として、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Commitment(コミットメント)、Command(コマンド)が挙げられている。
イ スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないものとして長期的な戦略を立てることが推奨される。
ウ スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とはみなされない。
エ スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の 3 次元から、ファミリービジネスの現在の状況を分析することが目的とされている。
オ パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPP モデル)では、ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。
解説
ファミリービジネスに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
4Cモデルの4つの特性はContinuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Connection(コネクション)、Command(コマンド)です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。
スリー・サークル・モデルは、ファミリービジネスを構成する要素をオーナーシップ(所有)、ビジネス(事業)、ファミリー(家族)の 3 つのサブシステムに分類したモデルです。ファミリービジネスの関係者がこの 3 つのサブシステムのどこに位置しているかによって、物の⾒⽅や利害関係などが変わってくるため、⽴ち位置を把握し、ファミリービジネスの経営の問題解決を⾏うために利⽤されています。
「ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないもの」ではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。
「ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者」もファミリービジネスの一員とみなされます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。
スリー・ディメンション・モデルはスリー・サークル・モデルを発展させたものです。ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元からファミリービジネスの時間による変化を分類するもので、「現在の状況を分析すること」を目的にしたものではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢オとなります。
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