【過去問解説(企業経営理論)】R5(再試)第3問 コア・コンピタンス

今日は、企業経営理論 R5(再試)第3問について解説します。

 企業経営理論 R5(再試)第3問

G. ハメルと C. K. プラハラードによるコア・コンピタンスに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア コア・コンピタンスは、顧客が認知する価値を高めるスキルや技術の集合体であるが、その価値をもたらす個々のスキルや技術を顧客が必ずしも理解している必要はない。
イ コア・コンピタンスは、個々のスキルや技術を束ねたものであり、ユニークな競争能力であるためには、企業が独占的に個々のスキルや技術を所有していることが必要である。
ウ コア・コンピタンスは、特定の製品や業界と深く結びついているものであり、複数の製品や業界に展開すると、その有効性や価値は減少する。
エ コア・コンピタンスは、他の競争優位の源泉となり得る生産設備や特許権のような会計用語上の「資産」であり、貸借対照表上の 1 科目として計上される。
オ コア・コンピタンスを活用し、製品や市場での競争を有利に進めていくためには、垂直統合によって一貫した製造・販売を手がけ、顧客価値を最大化することが必要である。

解説

コア・コンピタンスに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。コアコンピタンスとは、企業の中核的な能⼒のことで、顧客に利益をもたらし、競合に真似されにくく、複数の商品や市場に展開できるような⾃社の能⼒のことをいいます。後半の「その価値をもたらす個々のスキルや技術を顧客が必ずしも理解している必要はない。」の箇所はやや判断に迷うところですが、コアコンピタンスに顧客の理解は特に不要です。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。「個々のスキルや技術を束ねたものであり」という箇所ですが、必ずしも個々にスキルでなくても企業全体としてのスキルがユニークで競争力を有していればコアコンピタンスがあるといえます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。「複数の製品や業界に展開すると、その有効性や価値は減少する。」という点がコアコンピタンスの定義に沿っていません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。会計用語上の「資産」だけでなく、目に見えない能力もコアコンピタンスに含まれます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。コア・コンピタンスを活用のために、必ずしも垂直統合が必要という訳ではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

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