今日は、企業経営理論 R5(再試)第1問について解説します。
戦略計画学派を形成した H. I. アンゾフの意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 価格設定とアウトプットの水準、マーケティング戦略の策定、パフォーマンスの監視など、企業の資源転換プロセスの能率を最適化するような意思決定を「管理的な意思決定」と呼ぶ。
イ 環境が安定している場合、「日常業務的な意思決定」よりも「戦略的な意思決定」にマネジャーの関心が向けられる。
ウ 企業が経営資源を財・サービスに転換して利潤を追求するとき、環境に合わせて自社の目的を設定し、それに適合した最良の可能性を提供する資源配分パターンを作り出すことを「戦略的な意思決定」と呼ぶ。
エ 最適なパフォーマンスを求めて自社資源の構造づくりをするような意思決定を「日常業務的な意思決定」と呼び、組織づくりはそれに含まれる。
解説
アンゾフの意思決定論に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
アンゾフは「部分的無知の状況下での意思決定のためのルール」と定義し、意思決定とは、戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定の3 つに分類されるとしています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。管理的意思決定とは、部⻑や課⻑などのミドルが⾏う意思決定で、トップの意思決定を受けて、最⼤の業績が⽣み出せるように経営資源を調達し配分する意思決定のことを指します。選択肢の説明は、企業全体に関わる重要な問題に関する戦略的意思決定といえます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。戦略的意思決定とは、社⻑や経営幹部などのトップが⾏う意思決定で、将来どのような業種に進出すべきかといった企業全体に関わる重要な問題を対象とした⾮定型的な意思決定です。環境が安定している場合、どちらかといえば「日常業務的な意思決定」に目が向けられると言えるでしょう。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。戦略的意思決定については選択肢イの解説で説明の通りで、「環境に合わせて自社の目的を設定し、それに適合した最良の可能性を提供する資源配分パターンを作り出すこと」は戦略的意思決定として適切といえます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。日常的意思決定は、業務的意思決定ともよばれ、係⻑や主任クラスのロワーが⾏う意思決定で、企業が現⾏の業務の収益性を最⼤化することを⽬的に⾏う定型的な意思決定です。「自社資源の構造づくりをするような意思決定を」は先着的意思決定にあたるといえます。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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