今日は、企業経営理論のR4 第4問について解説します。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。消費財を生産・販売するX業界における市場シェア(占有率)は、以下のとおりである。
A社 45 %
B社 30 %
C社 15 %
D社 10 %
なお、B社はA社と比較して市場シェアでは劣るものの、製品技術の面では、X業界でA社と対抗できるだけの経営資源を保有している。
(設問1 )
X業界におけるB社の相対市場シェアとして、最も適切なものはどれか。なお、小数点第3 位を四捨五入とする。
ア 0.30
イ 0.33
ウ 0.67
エ 1.50
オ 2.00
(設問2)
X業界におけるB社の市場地位や状況を前提とした場合、B社の戦略として最も適切なものはどれか。
ア A社から市場シェアを奪取しようとする場合には、経営資源を、すべての市場セグメントに偏りなく投入するのではなく、特定の市場セグメントに集中的に投入する。
イ A社よりも低価格の製品を供給するフォロワーとして、A社からの攻撃を回避する。
ウ A社をはじめとする競合企業への同質化によって、市場シェアの拡大を図る。
エ B社の市場地位を利用して、小売店でのシェルフ・スペースの確保を、A社をはじめとする競合企業よりも有利に進める。
オ 規模の経済や経験曲線効果を利用して、A社をはじめとする競合企業に対するコスト面での優位性を確立する。
解説
(1)相対市場シェアに関する問題です。
相対市場シェアの計算方法は「自社の市場シェア÷第1位企業の市場シェア(自社が第1位の場合は第2位と比較)」になります。
今回算出するB社は第2位のため、通常通り第1位のA社と比較します。
式に当てはめると「0.3(B社:30%)÷0.45(A社:45%)=0.666…」となり、小数点第3 位を四捨五入して「0.67」の選択肢ウが正解となります。
(2)コトラーの競争地位別戦略に関する問題です。
各地位ごとの戦略については、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:その通りです。前半部分の「経営資源を、すべての市場セグメントに偏りなく投入する」はリーダー企業の戦略であり、これは避けるべきです。
経営資源の集中投入により差別化しリーダー企業から特定の市場シェアを奪うのが2番手以下の企業の代表的な戦略になります。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:誤りです。フォロワーは経営資源の量が限られている企業の戦略であり、「X業界でA社と対抗できるだけの経営資源を保有」しているB社がとるべき戦略ではありません。よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。競合企業への同質化による市場シェア拡大はリーダー企業の戦略です。
今回のリーダー企業はA社であるため誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。市場地位を利用して小売店でのシェルフ・スペースの確保を優位に進めるのは、最も市場地位の高いリーダー企業の戦略です。
今回のリーダー企業はA社であるため誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。規模の経済、経験曲線効果によるコスト面での優位性は、大量生産可能で累積生産量の多いリーダー企業の特徴です。
今回のリーダー企業はA社であるため誤りです。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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