今日は、企業経営理論 R4 第32問 設問2について解説します。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業が高い顧客価値の提供を通じて高い顧客満足を達成した場合、当該ブランドにロイヤルティを形成した顧客は真のロイヤルティを有する顧客であるから、その時点では、見せかけのロイヤルティを有する顧客が含まれる可能性は低い。
イ 顧客満足を高い水準に保つためには、サービスの現場においてスマートフォンのアプリによるアンケートなどを活用して顧客の意見や不満などを常に確認し、顧客の要望はすべて実現する必要がある。
ウ これからあるサービスを利用しようと考えている消費者にとって、サービスの品質は事前に把握できるのに対して、サービスの満足は利用してみなければ分からないという点で異なっている。
エ 相互に競合するいくつかのブランドのサービスの中で、消費者が特定ブランドのサービスを長く利用することは、それだけで当該消費者がそのブランドに対して高い顧客満足を感じている指標となる。
オ 品質の測定に関して、製品の品質は物理的に測定可能なのに対し、人間によって提供されるサービスの品質を測定することは困難である。このようなサービスの品質を測定するための 1 つの尺度として顧客満足が用いられるが、製品の品質を測定するために顧客満足が用いられることはない。
解説
顧客満足に関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:その通りです。ロイヤルティについて、まとめシートで以下の通り解説しています。
その通りです。顧客満足度が高いということは、態度と行動が一貫した真のロイヤルティの状態であることが多いといえます。ちなみに、見せかけのロイヤルティとは、職場の近くの店だからたまたまいつも買っているというように、好んでいるわけではないものの反復的に選択をしている行動のことを表します。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:誤りです。テクニック的な解き方になってしまいますが「常に確認し、顧客の要望はすべて実現する必要がある」という強い断定の表現がされており、全て正しいとは言い切れないので×にしても良さそうです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。有形財と異なるサービスの持つ特性のうちの1つに無形性(非有形性)があり、文字通り、形がないという性質です。そのため、消費者はサービスを購入する前にそれがどのようなものかを確認するのが困難で、内容がわからないと購買を躊躇する
場合も多くあります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。「消費者が特定ブランドのサービスを長く利用する」顧客の中には、アでも説明した見せかけのロイヤルティの顧客が含まれている可能性もあります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。製品の品質を測定するために顧客満足が用いられることもあります。こちらも、ウのように断定的な表現ですので、間違っていないか疑ってみてみるとよいでしょう。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢アとなります。
ちなみに、本問のウやオのような選択肢の正誤を判断するテクニックについては、YouTubeでもご紹介しています。
是非参考にしてみてください。
【企業経営理論の得点力アップ!】選択肢のパターン|問題文の正誤を判断するノウハウ_第145回
設問1の解説はこちら
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