【過去問解説(企業経営理論)】R4 第22問 人的資源管理

今日は、企業経営理論のR4 第22問について解説します。

 企業経営理論 R4 第22問

人事評価における評価基準と評価者に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 360 度評価では、評価者からのフィードバックの客観性を高めるために、従業員が所属している部門内の直属の上司、同僚、部下に範囲を絞って評価者を設定することが望ましい。
イ コンピテンシー評価とは、優れた業績をあげるための知能や性格といった従業員の潜在的な特性に基づいて、従業員の職務成果を評価する手法を指す。
ウ 従業員に自らの職務成果を自己評価させることには、従業員と上司との間で職務成果に関する議論が活発になる利点がある。
エ 上司の職務成果を直属の部下に評価させる場合は、不正確な評価を行った部下に対して上司が指導を事後的に行えるように、記名式で評価させることが望ましい。
オ 組織におけるエンパワーメントの考え方に従えば、従業員の職務成果の評価者を直属の上司に限定し、従業員による自己評価の機会を認めるべきではない。

解説

人的資源管理に関する問題です。

各評価制度の特徴については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。前半部分の「フィードバックの客観性を高めるため」までは正しいですが、後半部分の「従業員が所属している部門内の直属の上司、同僚、部下に範囲を絞って」が誤りです。
所属部門以外や、取引先なども評価者に含まれることがあり、従業員が所属している部門内の直属の上司、同僚、部下に範囲を絞るものではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。コンピテンシー評価は個人の行動特性を用いて評価する人事制度の手法で、「知能や性格」よりもむしろ「行動」に重きを置いた評価方法です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。従業員に自らの職務成果を自己評価させることで上司との接点を増やし、従業員と上司との間で議論を活性化させる利点があります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。前半部分の「上司の職務成果を直属の部下に評価」までは多面評価(360°評価)でも実施される方法ですが、後半部分の「不正確な評価を行った部下に対して上司が指導を事後的に行えるように、記名式で評価」の部分が誤りです。
記名式で評価すると低評価を受けた側からの報復評価が発生するリスクが高くなり、望ましくありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。「評価者を直属の上司に限定」すると評価が偏ることが多く、多面評価(360°評価)など複数の評価を総合して判断する方法が重要視されてきています。また、「従業員による自己評価の機会」を認めることで上司との接点が増えて交流が活性化し、より正確に評価しやすくなります。
権限移譲をはじめとするエンパワーメントの判断にも正確な評価は必須であり、「従業員による自己評価の機会」を制限すべきではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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