今日は企業経営理論のR3第32問 設問2について解説します。
X社では家電及び家具の①サブスクリプション・サービスを開始することを検討している。その際、家具とは異なり家電の利用状況は毎月変動する可能性があるため、家電については利用動向に応じて料金が変動する②ダイナミック・プライシングを導入することを併せて検討している。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア AI による需要予測に基づいて機械的に商品の価格を上下させるシステムを導入した結果、台風襲来によるボトル水の需要急増の兆しを捉えて価格を引き上げてしまい、社会的に非難を浴びた例があった。このことから、現在では生活必需品へのダイナミック・プライシングの導入は禁止されている。
イ 企業がダイナミック・プライシングを導入するためには、電子商取引のシステムを取り入れ、需要予測、価格変動などの仕組みを自社で構築する必要がある。
ウ 公共交通機関が朝夕の混雑を緩和するためにダイナミック・プライシングを導入し、比較的空いているオフピークの時間帯の価格を下げると、ただでさえ利用者に不満が多いピーク時には相対的に高額な利用料となる。
エ コンサートやスポーツ・イベントのチケットに関するダイナミック・プライシングでは、購入時期に応じて価格を変動させる例がある。しかし席のエリア別に異なる料金を設定し、かつ売れ行きに応じて価格を変動させるものはダイナミック・プライシングとは呼ばない。
解説
ダイナミック・プライシングについての問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢ア:選択肢にある水のエピソードは某〇mazonで実際に起こった例ですが、あくまで一例であり生活必需品へのダイナミック・プライシングの導入は禁止されているわけではありません。スーパーで賞味期限が近くなった生鮮品を値引きするなども、ダイナミック・プライシングの一例です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:電子商取引やデジタル化はダイナミック・プライシングをより活用するためのツールにはなりますが、必須ではありません。スーパーの値下げのように手動で行うことも可能です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りで特に問題はなさそうです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:エリアや売れ行きに応じた値決めもダイナミック・プライシングの一つです。
よって、この選択肢は×です。
以上から正解は選択肢ウとなります。