今日は、企業経営理論のR3 第20問について解説します。
組織における部門には、それぞれの目標や利害が存在するが、組織内で大きなパワーを有する部門は他部門よりも多くの予算を獲得したり、自部門にとって望ましくない他部門からの要求を排除することができる。このような部門の持つパワーの源泉に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 組織が外部環境の重大な不確実性にさらされる場合、その不確実性に有効に対処できる部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
イ 組織全体の目標を達成するために解決することが不可欠な組織内外の課題に対処する部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
ウ 組織の最終的なアウトプットに対して大きな影響を及ぼす部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
エ 部門Aが必要とする経営資源について、その資源を部門B以外から調達できない場合、部門Aは部門Bに対して大きなパワーを持つ。
解説
資源依存モデルの中から、パワーについて問題です。
資源依存モデルとは、組織間の資源の取引関係に着目した経営環境分析の手法で、企業を始めとする組織は外部環境に経営資源を依存しているため、資源の依存関係をコントロールすることで競争優位を確立しようという考え方のことをいいます。
まとめシートでは以下のようにまとめています。
本問では、パワーと表現されており、パワーと競争優位の関係性の具体的な例について問われています。
それでは選択肢をみていきましょう。
今回は不適切なものを選ぶ問題です。
選択肢ア:その通りです。不確実性に有効に対処できる、というのは外部組織が持つ資源をコントロールすることが可能、ということですのでできない他部門より大きなパワーを持ちます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:その通りです。外部組織が持つ資源に依存せず、自らで対処できる部門は、できない部門より大きなパワーを持ちます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:その通りです。他部門からの依存度が高いということは、自部門が他部門をコントロールすることが可能で、他部門に対してパワーを持っているということです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。組織が必要な経営資源を1 つの外部組織からのみ供給されている、つまりB部門のみに依存している場合、資源依存度は高くなりA部門よりB部門の方がパワーを持つことになります。
よって、この選択肢は×です。
以上から、誤りの選択肢を選ぶので、正解は選択肢エとなります。
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