今日は、企業経営理論 R3 第19問について解説します。
Ｊ．Ｇ．マーチ（J. G. March）とＨ．Ａ．サイモン（H. A. Simon）は、コンフリクトを標準的意思決定メカニズムの機能不全としてとらえた。
組織におけるコンフリクトに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 意思決定に必要な情報の入手先が多様になると、組織の参加者間で認識の差異は小さくなるので、個人間コンフリクトは少なくなる。
イ 組織全体の目標の操作性が低く、曖昧さが増すと、部門目標間の差異が許容される程度が高くなるので、部門間コンフリクトは少なくなる。
ウ 組織内にスラックが多く存在すると、部門間で共同意思決定の必要性が低下するので、コンフリクトは発生しにくくなる。
エ 部門間コンフリクトが発生した場合、政治的もしくは交渉による解決策を見いだすことが、コンフリクトの原因の解消に有効である。
解説
組織のコンフリクトに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア：誤りです。意思決定に必要な情報の入手先が多様になると、組織の参加者間で認識や解釈などの差異は大きくなるため、個人間コンフリクトは多くなります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ：誤りです。組織全体の目標の操作性が低く、曖昧さが増すなど不確実性が高まると個人間コンフリクトは多くなります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ：その通りです。組織スラックとは、組織における余裕資源のことで、いわば、ハンドルの「遊び」のようなものを指します。
組織内にスラックが多く存在すると、余裕が生まれるため部門間調整もしやすくなるためコンフリクトは発生しにくくなるといえます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ：誤りです。「政治的解決」はコンフリクトの原因の解消に有効であるとは言い難いです。なお、交渉による解決策を見いだすことは有効な手段の一つと言えるでしょう。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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