今日は、企業経営理論 R1 第35問(2)について解説します。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
サービス財には、①無形性、品質の変動性、不可分性、消滅性、需要の変動性といった特徴がある。②サービス組織やサービス提供者は、これらの特徴を踏まえた対応が求められる。
(設問 2 )
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 「サービス・トライアングル」は、顧客・サービス提供者・企業の 3 者の関係性を図示している。中でも顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにすることの重要性を説いている。
イ 「サービス・プロフィット・チェーン」は、顧客満足が顧客ロイヤルティにつながることで事業の収益性が高まることに注目し、企業が顧客に目を向けることの重要性を強調している。
ウ 「逆さまのピラミッド」の図では、マネジャーは現場スタッフを支援する立場にあり、両者の権限関係が製造業と逆転していることが示されている。
エ 「真実の瞬間」とは、適切なサービスを、顧客が望むタイミングで提供することの重要性を示す概念である。
オ サービス品質の計測尺度である「サーブクォル(SERVQUAL)」では、サービス利用前と利用後の 2 時点で評価を計測し、それらの差を確認することが推奨されている。
解説
サービスマーケティング関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。 サービスマーケティングについて、サービスを提供する企業、サービス提供者である従業員、顧客という観点から見ると、サービス提供企業から従業員に向けて行うインターナルマーケティング、サービス提供企業から顧客に向けて行うエクスターナルマーケティング、従業員と顧客の間のインタラクティブマーケティングの3つがあります。この3者の関係を示した図をサービストライアングルといいます。
選択肢は後半の「顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにする」という点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。
サービスプロフィットチェーンとは、インターナルマーケティングにおいて従業員満足度が向上すると、従業員の当事者意識が高まり、サービスの品質が向上し、顧客満足度や顧客ロイヤルティが高まることです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。「逆さまのピラミッド」の図では、マネジャーは現場スタッフを支援する立場にある、という点は正しいですが、後半の「両者の権限関係が製造業と逆転している」という点は誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。「真実の瞬間」とは、主にサービス業において、従業員が接客で消費者と接する僅かな時間で顧客の印象が決まるという意味です。
よって、この選択肢は×です。
ちなみに初めて聞く単語で知らない場合は一旦スキップしてもOKです。
選択肢オ:その通りです。SERVQUALとは、サービスの品質を測定する基準です。サービス事業者は、SERVQUALの5つの基準について、顧客の期待と実際の知覚を継続的に計測し、それらの差を確認することが推奨されています。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢オとなります。
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