今日は、企業経営理論のR1 第33問(設問2)について解説します。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
サービス財には、①無形性、品質の変動性、不可分性、消滅性、需要の変動性といった特徴がある。②サービス組織やサービス提供者は、これらの特徴を踏まえた対応が求められる。
(設問2)
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 「サービス・トライアングル」は、顧客・サービス提供者・企業の3者の関係性を図示している。中でも顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにすることの重要性を説いている。
イ 「サービス・プロフィット・チェーン」は、顧客満足が顧客ロイヤルティにつながることで事業の収益性が高まることに注目し、企業が顧客に目を向けることの重要性を強調している。
ウ 「逆さまのピラミッド」の図では、マネジャーは現場スタッフを支援する立場にあり、両者の権限関係が製造業と逆転していることが示されている。
エ 「真実の瞬間」とは、適切なサービスを、顧客が望むタイミングで提供することの重要性を示す概念である。
オ サービス品質の計測尺度である「サーブクォル(SERVQUAL)」では、サービス利用前と利用後の2時点で評価を計測し、それらの差を確認することが推奨されている。
解説
サービスマーケティングに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
「サービス・トライアングル」は、顧客・サービス提供者・企業の3者の関係性を図示していますが、顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにすることの重要性だけを説いているわけではありません。サービス・トライアングルでは、顧客とサービス提供者、サービス提供者と企業、企業と顧客の3者の関係のバランスを図ることが重要です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。
「サービス・プロフィット・チェーン」は、従業員満足の高まりが従業員生産性を向上させ、最終的な顧客満足度、顧客ロイヤルティにつながることで事業の収益性が高まることに注目する考え方です。「サービス・プロフィット・チェーン」は、企業がまず従業員に目を向けることの重要性を強調しています。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。
「逆さまのピラミッド」は、現場スタッフが意思決定を行い、マネジャーは現場スタッフを支援するという考え方です。これは、顧客と実際に応対するのは現場スタッフであるサービス業の特性に適した考え方といえます。しかし、マネジャーは現場スタッフを支援する立場ではあるものの、権限関係においてはマネジャーのほうが上位にあるほか、製造業においても現場のスタッフを第一に考える「逆さまのピラミッド」の考え方が適用されることがあります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。
「真実の瞬間」は、顧客は現場スタッフに接するわずかな瞬間でサービスの良し悪しを判断するという考え方です。適切なサービスを顧客が望むタイミングで提供することは、「真実の瞬間」において重要な要素の一つではありますが、他にも従業員の態度やサービス自体の質など様々な要因から「真実の瞬間」は生まれます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:その通りです。
サービス品質の計測尺度である「サーブクォル(SERVQUAL)」では、信頼性、反応性、確実性、有形性、共感性という5つの次元に基づいた項目を、サービス利用前と利用後の2時点で計測し、それらの差を確認することが推奨されています。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢オとなります。
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