【過去問解説(企業経営理論)】R1 第32問 (2) マーケティングリサーチ

今日は、企業経営理論のR1 第32問(2)について解説します。

企業経営理論 R1 第32問(2)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は製品開発プロセスを段階的に管理・実行している。それぞれの段階において、調査や実験を行い、それぞれの分析結果に基づき意思決定を繰り返すことで、新製品の成功確率を高めるよう努めている。

(設問 2 )
文中の下線部②の調査や実験におけるデータ収集方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 観察法には、実験的条件下の調査対象者の行動を観察する方法や、調査者自らが体験しその体験自体を自己観察する方法が含まれる。
イ グループインタビューの司会者は、複数の参加者と均一な距離を保つことが求められる。共感を示したり、友好的関係を築こうとしたりしないほうがよい。
ウ デプスインタビューでは、考え方や価値観、行動スタイル、嗜好(しこう)などを聞くことが可能である。また、グループインタビューと比較すると、他の参加者の影響を受けにくく、一人当たりの調査コスト(金銭および時間)は低い。
エ リード・ユーザー法は、例えば、市場の規模や競合に対する競争力を確認するために、主として検証的調査で用いられる。

解説

マーケティングリサーチについての問題です。
まとめシートでは、各調査方法の特徴を以下の通りまとめています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。観察法とは、店内の顧客や従業員の動線を観察する動線調査、他店の状況を調査する他店調査、商店街などで行われる通行量調査や、専門調査員が家庭または集団内部に入り⻑期間フィールドワークを行うことで、定性的な情報を入手するエスノグラフィー調査といった方法があります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。グループインタビューは複数人のグループに対するインタビューで、それぞれの意見に刺激され相乗効果(グループダイナミクス)が期待できますが、司会役の技術次第で得られる成果が変わってくる場合があります。よって、一定の反応を示すことも効果的といえます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。デプスインタビューでは、1対1でじっくりとインタビューを行う方法で、本人も気付いていない深層心理を探ることもできますが、時間やコストがかかります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。リードユーザー法とは、リードユーザーと呼ばれる、重要な市場動向に関して大多数のユーザーに先行している人を製品開発過程に積極的に取り込むことにより、高い製品開発成果の実現を目指すアプローチのことです。少しマニアックですが、この方法は「検証的」ではなく「探索的」調査とされます。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

設問1の解説はこちら

 

 

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