【過去問解説(企業経営理論)】R1 第27問 ターゲットマーケティング

今日は企業経営理論R1第27問のターゲットマーケティングの問題について解説します。

 

R1 企業経営理論 第27問
市場細分化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア BtoB マーケティングで企業規模に基づき市場細分化を行った場合、各セグメント内の企業は企業規模以外の基準においても均一となる。
イ BtoB マーケティングではさまざまな変数に基づいた市場細分化が行われるが、突発的な注文が多い企業や小口の注文が多い企業などは対象セグメントとして望ましくない。
ウ BtoB マーケティングにおいては組織的な購買が行われることが多いが、購買担当者の個人的特性に基づく市場細分化が有効な場合がある。
エ 市場細分化によって製品・サービスの種類が増えるため、企業のコストも増加せざるを得ない。

解説

市場細分化に関して、B to Bを中心に問われている問題です。

今年の試験では第29問でもB to Bに関する問題が出題されています。

これを見て、もし、これまでB to Cの企業ばかりだった事例Ⅱで、B to Bの会社が出てきたらちょっとした波乱になるだろうなと思いました。

 

B to Bの場合でも、事例Ⅱは基本的に「誰に」「何を」「どのように」+「効果」を意識しておけば大丈夫ですが、今年2次試験に挑戦される方は、B to B企業のマーケティングに関する事例が出てきたときを想定して頭の体操をしておくと、もしかしたら、ということがあるかもしれません。

ちなみに、B to Bの場合、ジオグラフィック基準に相当するものとして所在地、デモグラフィック基準に相当するものとして業種や業態、企業規模、業歴、サイコグラフィック基準に相当するものとして企業の購買方針や購買決定者の重視する点、行動変数基準に相当するものとして利用頻度、注文規模などによって市場細分化をすることができます。

 

さて、それでは各設問を見ていきましょう。
選択肢アは、理論を知らなくても思い浮かぶ会社をいろいろ想像してみたら、企業規模が同じでも業種や業態、所在地や業歴など会社によって様々ですので、「企業規模以外の基準においても均一となる」という記述は誤りであると判断できます。

選択肢イは、「突発的な注文が多い企業や小口の注文が多い企業などは対象セグメントとして望ましくない」とありますが、あえて他の企業が嫌がるような顧客を対象とし、それらの企業に対応できるようなシステムを整えることで他社と差別化できる可能性もあります。そのため、一概に「望ましくない」と言い切るのは誤りです。

選択肢ウはその通りで、購買担当者の重視する点による市場細分化は有効な場合があります。

選択肢エは、市場細分化した上で、集中型の市場選定を行うこともあり、その場合は「企業のコストも増加せざるを得ない」ということはありません。
よってこの選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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