今日は、企業経営理論のR1 第16問について解説します。
E.ロックやG.レイサムらにより体系化された目標設定理論において指摘されている、組織メンバーの努力や成果を引き出す目標の特徴として、最も適切なものはどれか。
ア 目標と報酬(昇給や昇進など)の間の関係が明示されていること。
イ 目標の達成困難度が顕著に高いこと。
ウ 目標の達成度合いについてのフィードバックが得られること。
エ 目標の内容が組織運営上合理的であること。
オ 目標の内容が抽象的であること。
解説
モチベーション理論の中から目標設定理論に関する問題です。
モチベーション理論は覚えることが多く、本試験での難易度も高いものが多いので深入りはしすぎずにまとめシートで解説している基本的な内容で対応できる問題に取り組んでいくようにしましょう。
モチベーション理論の全体像につきましては、なるべく覚えやすいよう以下のようにまとめております。
2022年合格目標版まとめシートより
目標設定理論とは、目標とモチベーションとの関係に着目した理論です。本人が納得している場合、曖昧な目標よりは明確な目標が、難易度の低い目標よりは難易度の高い目標が、高い成果につながるとされています。また、目標の達成度合いについてフィードバックが得られると、より高い効果が得られます。
以上を踏まえて選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:目標と報酬の関係について説いているのは目標設定理論ではなく、強化説です。強化説は、人の行動はその行動に結びついている報酬(外発的要因)によって強化されるという理論です。目標設定理論は、内発的要因によって強化されます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:「顕著に高いこと」という点が誤りです。目標設定理論では、難易度の低い目標よりは難易度の高い目標が、高い成果につながるとされていますが、目標が高すぎると達成の見込みが低くなり、本人が納得しない可能性があります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。目標設定理論では、目標の達成度合いについてフィードバックが得られるとより高い効果が得られます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:目標設定理論は、個人と目標の関係性に主眼を置いた理論であるため、組織運営上合理的という特徴は不適当です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:目標設定理論では曖昧な目標よりは明確な目標が、高い成果につながるとされています。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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