【過去問解説(企業経営理論)】H29 第12問 BCP、コンティンジェンシープラン

今日は、企業経営理論のH29 第12問 について解説します。

 企業経営理論 H29 第12問

自然災害や大事故などの突発的な不測の事態の発生に対応することは、企業にとって戦略的な経営課題であり、停滞のない企業活動の継続は企業の社会的責任の一環をなしている。そのような事態への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア カフェテリア・プランは、多くの場合、ポイント制によって福利厚生メニューを自主的に、また公平に選択できるようにしているので、突発的な災害などの支援に活用できるメニューは盛り込めない。
イ クライシス・マネジメントは、想定される危機的事象を予測し、事前にその発生抑止や防止策を検討して危機への対応を図ろうとするものである。
ウ コンティンジェンシー・プランでは、不測の事態や最悪の事態を想定して、その事態が与える業務間の影響を測るべく、事業インパクト分析を重視して危機対応の計画を策定するのが一般的な方法である。
エ 事業継続計画(BCP)では、事業停止の影響度を評価分析して、業務の中断が許される許容期限を把握して業務の復旧優先順位を導くために事業インパクト分析の実施が行われる。
オ 事業継続計画(BCP)は、災害時のロジスティクスの確保を重視した企業間ネットワークの構築を目指すものとして策定されている。

解説

突発的な不測の事態の発生への対応に関する問題です。
これらについては、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。前半の、カフェテリアプランに関する説明は正しそうですが、後半の「突発的な災害などの支援に活用できるメニューは盛り込めない」とは言い切れなさそうです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。クライシスマネジメントとは、危機管理のことで、不測の事態に予め備え初期対応や二次被害の回避を行うことを指します。「想定される危機的事象を予測し」という部分が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。コンティンジェンシープランとは、あらかじめ不測の事態が起きることを予測して、複数の計画を用意しておくことです。間違いと断定するには少し悩ましいですが後半の「事業インパクト分析を重視して~」という部分がコンティンジェンシープランの定義には沿っていなさそうです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは、企業活動や事業の継続(ゴーイングコンサーン)の観点から、災害などに備えた事業計画を策定をすることです。BCPは、災害などが起こっても重要な事業は中断しないように、もしくは、仮に中断してしまってもすぐに再開できるように、災害が起きていない平時から災害に備える計画です。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:誤りです。BCPは災害時のロジスティクスの確保を重視するだけのものではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

ちなみに、本問はイ・ウ・エの選択肢が似たような定義で難しく消去法ですすめるのも難しい問題ですので、時間がない方の学習では深追いしすぎずに、BCPとコンティンジェンシープランの定義を確り覚える程度にとどめても良さそうです。

 

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