【過去問解説(企業経営理論)】H26 第27問(2) マーケティング・リサーチ

今日は、企業経営理論 H26 第27問(設問2)について解説します。

企業経営理論 H26 第27問(設問2)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
家業の果物農家を継いだ S 氏は、父親の代から取り組んできた大手小売チェーンへの完全直販体制をさらに強化するために、地域の若手農家とともに、この小売チェーンとの間で自らが生産する果物のブランド化を図る準備を進めている。各種の調査結果からは、消費者の年齢と果物の消費量との間には強い正の相関があることが明らかにされている。そこで、S 氏はこの取り組みのメンバーとマーケティング・リサーチ検討会を立ち上げ、今後とるべき方策の判断材料を集めることにした。

(設問 2)
文中の下線部②に示す「マーケティング・リサーチ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア S 氏らは、果物を購買し消費する人々の行動原理がどうなっているのか、そしてそれらの行動の背景にはどのような気持ちがあるのかを知りたいと思っている。そうした「消費者の潜在意識的な部分」のことをコンシューマー・マインドマップと呼ぶ。
イ S 氏らは、取引先小売チェーンの協力のもと、果物の消費量の異なる複数のセグメントに属する消費者を集めてデプス・インタビューを継続的に実施している。グループダイナミクスの効果によって、思いもかけない果物の消費体験例を知ることができる。
ウ S 氏らは、取引先の小売チェーンに POS データの分析を依頼している。その中でもとくに陳列情報、販促情報やその他果物の販売量に影響を与えるコーザルデータの分析を重視している。この種のデータは POS データから直接、簡単に取得できるものであり、迅速な意思決定を支援する。
エ S 氏らは、年齢と果物消費量の関係をさらに深掘りして把握するために、調査設計において被験者の「年齢」、「時代」、「世代」からなる3つの要因を分解して分析可能なアプローチを設計した。これは、有効な方法である。

解説

マーケティングリサーチに関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。「消費者の潜在意識的な部分」のことは、コンシューマー・インサイトと呼ばれます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。デプスインタビューは、1 対1 でじっくりとインタビューを行う方法で、本人も気付いていない深層心理を探ることが出来る点が特徴です。よって、複数のセグメントに属する消費者を集めるという点や、グループダイナミクスの効果が得られるという点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。コーザルデータとは、どのような販促を行ったかという販促データ、フェイス数などの棚割データ、気温や天候などの気象データ、近隣でのイベントの有無に関する催事データなどのことを指し、POS データから直接取得するものではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。被験者の「年齢」、「時代」、「世代」からなる3つの要因を分解して分析することは、有効な手段といえます。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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