今日は企業経営理論H26第22問について解説します。
近年、米国を中心に、人的資源を企業の競争優位の源泉としてとらえる SHRM(戦略的人的資源管理)が注目されている。人材の調達先(外部からの登用安内部での育成)、管理の対象(仕事の結果安仕事のプロセス)という二軸から分類した場合、それぞれに適合的な人的資源戦略が考えられる(下図参照)。人的資源戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 家父長型人的資源戦略では、企業内部の従業員がきちんと結果が出せるように能力開発を行う。
イ 協力型人的資源戦略は、コンサルタントや契約社員などの外部の人材に対して、仕事の結果を通じた統制を行う。
ウ コミットメント型人的資源戦略では、企業内部の従業員に仕事のプロセスに対して責任を負うことを求めていく。
エ 伝統型人的資源戦略では、企業内部の人材を登用し、仕事のプロセスに対する統制がなされる。
解説
SHRM(戦略的人的資源管理)についての問題です。やや聞き慣れない用語ですがマトリクス表が示されているので比較をしながら最適解を探していきます。それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、家父長型人的資源戦略は左下の象限にあり「結果が出せるように能力開発を行う」という設問に対しては上下が逆になりそうです。この選択肢は×と判断できます。
選択肢イはその通りで、 協力型人的資源戦略は右上の象限にあり「外部の人材に対して、仕事の結果」と矛盾がありません。この選択肢は○と判断できます。
選択肢ウは、コミットメント型人的資源戦略は左上の象限にあり「企業内部の従業員に仕事のプロセスに対して責任」という設問に対しては上下が逆になりそうです。この選択肢は×と判断できます。
選択肢エは、伝統型人的資源戦略は右下の象限にあり「企業内部の人材を登用し、仕事のプロセスに対する統制」という設問に対しては左右が逆になりそうです。この選択肢は×と判断できます。
以上から、正解は選択肢イとなります。