今日は、運営管理のR6第38問について解説します。
物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア ASN は、荷受側が納品を受けた後に荷送側に対して送信する受領明細である。
イ 固定ロケーション管理では、入庫の都度、空いている場所に商品を格納するため、同じ商品が異なる場所に所在する。
ウ 摘み取り方式ピッキングは、商品ごとのオーダー総数をまとめてピッキングすることである。
エ 物流センターにおけるトラック予約受付システムの導入の目的の 1 つは、運送事業者の積み込みや取り卸しの前にかかる手待ち時間を短縮することである。
オ マテハン機器のうち、ソーターは保管用の機器であり、AGV は仕分用の機器である。
解説
物流センターの運営に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
今回は、対になるキーワードを入れ替えて記述している選択肢が多いので、注意しながら見ていきましょう。
選択肢ア:ASN は、荷受側が納品を受けた後に荷送側に対して送信する受領明細である。
→誤り。
ASN(Advanced Shipping Notice)は事前出荷明細通知のことで、商品を出荷する前に事前にこれを送ることで仕入業務や検品業務を効率化できます。
つまりASNは「事前」に送られる通知であり、「納品を受けた後」ではありません。
選択肢イ:固定ロケーション管理では、入庫の都度、空いている場所に商品を格納するため、同じ商品が異なる場所に所在する。
→誤り。
固定ロケーションとは、どの棚にどの商品を置くのかをあらかじめ決めておき、商品を入荷すると決められた場所に商品を保管する方法です。
選択肢の記述にある「入庫の都度、空いている場所に商品を格納する」方式は、フリーロケーションです。
選択肢ウ:摘み取り方式ピッキングは、商品ごとのオーダー総数をまとめてピッキングすることである。
→誤り。
摘み取り方式(シングルピッキング)とは、配送先のお店ごとに棚から摘み取るように各商品をピックアップしていく方式で、多種少量もしくは注文先が多い場合に適している方法です。
一方、記述にある「商品ごとのオーダー総数をまとめてピッキングする」は、種まき方式(トータルピッキング)を指します。
選択肢エ:物流センターにおけるトラック予約受付システムの導入の目的の1つは、運送事業者の積み込みや取り卸しの前にかかる手待ち時間を短縮することである。
→ 正しい。
トラック予約受付システム(いわゆるドック予約システム)は、物流センターの受け入れ・出荷作業の時間帯を事前に予約管理するシステムです。これにより、トラックの集中を避けて待ち時間(手待ち時間)を削減し、現場の効率化とトラックドライバーの労働時間短縮にもつながります。
選択肢オ:マテハン機器のうち、ソーターは保管用の機器であり、AGV は仕分用の機器である。
→誤り。
ソーター(Sorter):商品の仕分けを自動で行う機器であり、「保管用」ではありません。
AGV(無人運搬車):指定されたルートを通じて物品を搬送する機器であり、必ずしも仕分け専用ではありません。搬送が主目的です。
まとめ
ア ❌ 誤り ASNは「事前」に荷送側が荷受側に送る通知。逆の説明になっている。
イ ❌ 誤り これは「フリーロケーション」の説明。固定ロケーションは決まった場所に保管。
ウ ❌ 誤り これは「種まき方式」の説明。摘み取り方式はオーダー単位で個別にピック。
エ ✅ 正解 手待ち時間の削減はシステム導入の主要な目的の一つ。記述通りで適切。
オ ❌ 誤り ソーターは仕分け、AGVは搬送が主用途。
以上から正解は、選択肢エです。
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