今日は運営管理のH29第15問について解説します。
次の4つの手法で分析した結果から改善案を検討する際に、「ECRSの原則」が利用できる手法の数として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
<分析手法>
①ABC分析
②連合作業分析
③事務工程分析
④流動数分析
[解答群]
ア 1
イ 2
ウ 3
エ 4
解説
ECRSの原則について問われています。
ECRSの原則とは、まとめシートでもご紹介しましたが、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字を取ったもので、生産の改善を行う上での考え方を示したものです。
生産の改善を検討する際は、E・C・R・Sの順で、まずは無駄な作業をなくせないかと考え、次に複数の作業を一緒にできないかと考えます。
そして、作業の順番を変えることで効率化できないか、最後に作業をより簡単にできないかと考えます。
これを踏まえて、各分析手法を見ていきましょう。
①ABC分析
ABC分析とは、製品を種類と生産量によってA~Cのグループに分け、作業の改善というよりは、管理の重点を決めるための分析方法です。
よって、ECRSの原則が利用できるものではありません。
②連合作業分析
人と機械や2人以上の人の作業のように、2つ以上の作業の組み合わせについて分析を行うことを連合作業分析といいます。
これには、ECRSの原則は有効に活用することができます。
③事務工程分析
事務工程分析という用語は知らない方も多いかと思いますが、知らなくても字面から、事務作業の工程を分析することだろうと推測することができます。
事務作業でも生産現場でも作業の効率化という観点から考えれば、ECRSの原則は有効に活用することができます。
④流動数分析
流動数分析は、工程の進捗管理の際に用いる手法です。
縦軸に累積数、横軸に日付をとり、累積受入数・累積払出数をそれぞれ折れ線グラフで示したものを用いて分析します。2つの折れ線グラフの開き具合によって、作業の進捗度合いを把握し管理に活用します。
この流動数分析は作業の改善というよりは、在庫管理のための分析方法です。
よって、ECRSの原則が利用できるものではありません。
以上から、ECRSの原則が利用できるものは上記のうち2つで、正解は選択肢イとなります。
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