平成30年の運営管理の問題は、昨年に引き続き、現場対応が求められる問題がいくつかありましたが、一部統計学のような問題があったのを除けば、全くわからないような用語や知識を問う問題は少なかったですので、昨年よりは得点しやすくなったのではと感じました。
しかし、現場対応が求められる問題については、ある程度試行錯誤や計算が必要となるため、時間的にはタイトだったのではと思います。
現場対応が求められる問題は今後も引き続き多く出題される可能性がありますので、運営管理でも比較的時間のかからない問題から処理していくというタイムマネジメントの重要性は高まっているのではないかと思います。
さて、今回の過去問解説は第1問の生産用語の基礎知識についてです。
この問題はまとめシートで解説している内容がそのまま問われています。
H30 運営管理 第1問
生産における管理目標(PQCDSME)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 職場環境に関する評価を行うために、検査によって不適合と判断された製品の数を検査対象の製品の総数で除して求められる不適合率を用いた。
イ 職場の安全性を評価するために、延べ労働損失日数を延べ実労働時間数で除し1,000 を乗じて求められる強度率を用いた。
ウ 生産の効率性を評価するために、労働量を生産量で除して求められる労働生産性を用いた。
エ 納期に関する評価を行うために、動作可能時間を動作可能時間と動作不能時間の合計で除して求められる可用性を用いた。
PQCDSMEはまとめシートの一番最初でご説明した通り、
P Productivity 生産性
Q Quality 品質
C Cost 価格
D Delivery 数量/納期
S Safety 安全性
M Morale 意欲(モラール)
E Environment 環境
の頭文字を取ったものです。
それでは早速問題を見ていきましょう。
選択肢アは、「職場環境」とありますが、Eは、Environmentで、環境負荷の少ないもののことですので、不適合率というのは×と判断できます。
選択肢イは、Sの安全性についての説明で、説明にある通り災害の強さを表す強度率は安全性に関する指標で、式も正しいです。ですので○と判断できます。
これで正解は判断できますが、念のため残りの選択肢も見てみます。
選択肢ウは、Pの生産性についてです。「労働量を生産量で除して求められる労働生産性」とありますが、生産性はOutput/Inputですので、これは誤りです。運営管理ではこのように、式の説明が間違っているので×というパターンがよくあります。文章を読んでしまうとなんとなく正しく思えてしまうので、このような場合は、まず自分で式を思い出してメモしておくと間違った文章に引きずられてしまうということを防ぐことができます。
先ほど選択肢イで式も正しいと説明しましたが、選択肢イでも式が間違っている可能性を頭に入れて自分でメモしておいた上で比較するという方法を取ると自信を持って選ぶことができます。
選択肢エは、納期の指標に可用性を使うことはありませんので×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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