今日は、財務・会計のH30 第21(1),(2)問について解説します。
以下の損益計算書について、下記の設問に答えよ。
なお、当期の総資産は 1,500 百万円(= 有利子負債 1,000 百万円 + 株主資本 500百万円)とする。
また、当社では ROA を営業利益 ÷総資産と定義している。
(設問 1 )
営業利益は経営環境によって変動する。したがって、投下資本を一定とした場合、それに応じて ROA も変動する。ROA が 15 %に上昇した場合、ROE は何%になるか、最も適切なものを選べ。
ア 17 %
イ 21 %
ウ 35 %
エ 39 %
(設問 2 )
ROA の変動に対して ROE の変動を大きくさせる要因として、最も適切なものはどれか。
ア 安全余裕率
イ 売上高営業利益率
ウ 負債比率
エ 流動比率
解説
(設問1)
財務レバレッジに関する問題です。
考え方と公式について、まとめシートでは以下の通りまとめています。
それでは問題を見ていきましょう。
<STEP1>
まずは今回、公式を使えるかどうか(上図の①)を確認するため、負債利子率を計算します。
ここで、負債利子率は、負債利子/負債により求められますので、50百万円/1,000百万円(支払利息/有利子負債)=5%となりROAとROEの関係式を使うことが出来そうです。
<STEP2>
あとは、公式に与えられた数字を当てはめていきます。
負債比率は、負債/自己資本ですので1,000/500=2となります。
ROE=(1-0.4)(15+2×(15-5))=21(%)
以上から、正解は選択肢イとなります。
(別解)
また、今回の場合ROEは公式を使わなくても求めることが可能です。
ROA:営業利益 ÷総資産
ROE:当期純利益÷自己資本
以上の条件より、ROA=15%ですので、営業利益÷1,500(総資産)=0.15となり、営業利益は225とわかります。
そこから、他の条件の変更がなく税引後当期純利益を求めると105となります。
最後に、ROE:当期純利益÷自己資本 の公式に当てはめると。105÷500=0.21=21%で同じ答えが求められます。
(設問2)
ROA の変動に対して ROE の変動を大きくさせる要因のことを財務レバレッジ効果といい、財務レバレッジ効果は公式の上にも書いている通り、負債比率が増えるとROEが増えます。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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