【過去問解説(財務・会計)】H25 第18問 投資判断の評価

今日は財務・会計のH25第18問について解説します。

H25 財務・会計 第18問

A社では、生産コストの低減を目的として新規設備の購入を検討している。新規設備の取得原価は4,500 万円であり、その経済命数は5年である。また経済命数経過後の残存価額はゼロと見込まれている。A社では定額法によって減価償却を行っており、同社の法人税率は40 %である。A社は当該投資案に対して回収期間法によって採否を決定することとしており、採択となる目標回収期間を3年と定めている。新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額として最も適切なものはどれか。なお、貨幣の時間価値は考慮せず、年間の生産コスト低減額は毎期一定である。また、当該投資案によって減価償却費以外の追加的費用は発生しない。

ア    600 万円
イ    900 万円
ウ 1,500 万円
エ 1,900 万円

解説

投資判断のための評価に関する問題です。

まず、「回収期間法によって採否を決定」「目標回収期間を3年」とありますので、3年で投資額である4,500万円を回収する必要があります。また「貨幣の時間価値は考慮せず、年間の生産コスト低減額は毎期一定」とありますので、単純に投資額を目標回収期間で割ることで、この設備投資によって生み出す必要がある年間キャッシュフローを求めることができます。
年間キャッシュフロー = 4,500万円 ÷ 3年 = 1,500万円

次に、上記の年間キャッシュフローより、年間の生産コスト低減額について、以下の通り表すことができます。
1,500万円 = 年間生産コスト低減額 ×(1 - 0.4)+ 減価償却費 × 0.4

設備は定額法によって5年で減価償却されるため、減価償却費 = 4,500万円 ÷ 5 = 900万円となります。よって、上記の式に減価償却費を代入すると以下の通りとなります。
1,500万円 = 年間生産コスト低減額 ×(1 - 0.4)+ 900万円 × 0.4
年間生産コスト低減額 =(1,500万円 - 360万円)÷ 0.6 = 1,900万円

以上から正解は選択肢エとなります。

 

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