平成30年の財務・会計は、いわゆる「爆弾科目」となり、確実に解ける典型的な問題が非常に少なく、苦戦した方も多いのではと感じました。
通常、得点源にできるファイナンス分野の問題もわりとマニアックな知識問題が多く、上手く得点できなかった方も多かったかもしれません。
その中で、どうにか解けそうな問題を探し出して得点に繋げられたかどうかが勝負の分かれ目だったのではと思います。
今回は、まずは第11問のCVPについて解説します。
難しい問題が多い中で、第11問は典型的な解きやすい問題でしたので、この問題は確実に取っておきたい問題でした。
まとめシートでもよく問われる問題のタイプを例題を交えながら紹介しましたが、そのうちの(1)がタイプ③、(2)がタイプ⑤にあたる問題でした。
H30 財務・会計 第11問
当社の当期の損益計算書は以下の通りであった。下記の設問に答えよ。
損益計算書
売上高 240,000 千円 (販売価格200円×販売数量1,200千個)
変動費 96,000 (1個当たり変動費80円×販売数量1,200千個)
貢献利益 144,000 千円
固定費 104,000
営業利益 40,000 千円
(設問1)
当社では、次期の目標営業利益を55,000千円に設定した。他の条件を一定とすると、目標営業利益を達成するために必要な売上高として最も適切なものはどれか。
ア 255,000千円
イ 265,000千円
ウ 280,000千円
エ 330,000千円
(設問2)
次期の利益計画において、固定費を2,000千円削減するとともに、販売価格を190円に引き下げる案が検討されている。また、この案が実施されると、販売数量は1,400千個に増加することが予想される。次期の予想営業利益として、最も適切なものはどれか。なお、他の条件は一定であるものとする。
ア 52,000千円
イ 57,000千円
ウ 68,000千円
エ 72,800千円
(設問1)
設問1は利益○○達成のための売上高を求める問題です。
このような問題の場合、目的とする売上高をXとおいて解いていきます。
CVPの式は
S(1-α)-FC=P
と表せます。
目標営業利益は55,000千円なのでP=55,000、固定費は104,000千円なのでFC=104,000です。
また変動比率αは変動費/売上高なので、α=96,000/240,000=0.4となります。
これを上記の式に代入すると、
X(1-0.4)-104,000=55,000
となり、これを解くと
X=265,000
となります。
よって正解はイとなります。
(設問2)
設問2は売上高/固定費が変化したときの利益を求める問題です。
売上高/固定費をそれぞれ変化させた上で、CVPの式に当てはめて求めます。
問題文から、売上高は販売価格190円×1,400千個、1個あたりの変動費は変わらず80円なので変動費は80円×1,400千個、固定費は2,000千円削減されるので、104,000-2,000=102,000千円となります。
CVPの式は
S-VC-FC=P
とも表せるので、
利益は
190×1,400-80×1,400-102,000=(190-80)×1,400-102,00=52,000
より、52,000千円となります。
よって正解はアとなります。
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