今日は経済学のR2第15問について解説します。
働くことにより得られる所得と余暇のバランスを考えることは重要である。下図は、家計の所得と余暇の組み合わせについて、予算制約線と無差別曲線を用いて示したものである。賃金の上昇に伴う点 E から点 F への移動に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア 点Eから点Gへの変化は、実質所得の増加によって、正常財としての余暇の需要が増加する部分であり、「所得効果」という。
イ 点Eから点Gへの変化は、賃金の上昇によって、時間の配分が余暇から労働に切り替えられた部分であり、「代替効果」という。
ウ 点Gから点Fへの変化は、実質所得の増加によって、正常財としての余暇の需要が減少する部分であり、「所得効果」という。
エ 点Gから点Fへの変化は、賃金の上昇によって、時間の配分が労働から余暇に切り替えられた部分であり、「代替効果」という。
解説
スルツキー分解に関する問題です。
スルツキー分解は、⼿順を覚えたら、⼿を動かしながら問題を解く経験を重ねていくことが、得点⼒向上のためには重要です。
まとめシートでは、以下の通り手順を図解しています。
<スルツキー分解の手順>
STEP① 価格が変化した後の予算線を引く
STEP② ①に平⾏で無差別曲線U2に接する直線を引く
STEP③ ②と無差別曲線U2の接点をx2とする
STEP④ ①に接する無差別曲線U1の接点をx3とする
代替効果(x2-x1): 同じ需要曲線の中の動き
所得効果(x3-x2): 平行な予算線の間の動き
価格効果(x3-x1): 代替効果+所得効果(=相対価値+実質所得)
と表すことができます。
以上を踏まえると、
選択肢アの点Eから点Gへの変化は、所得効果ではなく代替効果です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イはその通りで、点Eから点Gへの変化を代替効果といいます。
よって、この選択肢は〇です。
念のため残りの選択肢も確認していきましょう。
選択肢ウは、実質所得の増加によって、正常財としての余暇の需要が「減少」する部分とありますが、実質所得の増加によって正常財としての余暇の需要は「増加」します。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エの点Gから点Fへの変化は、代替効果ではなく所得効果です。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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