今日は、自然失業率仮説について解説します。
中央銀行は、名目貨幣量を拡大させる金融緩和政策を実施することがある。この名目貨幣量拡大により、総需要が増加することで、名目賃金率と物価が上昇し始めると、企業側は総供給を増やそうとする。このときの労働者側の短期における行動について、自然失業率仮説の記述として最も適切なものはどれか。
ア 物価上昇は認識せず、名目賃金率上昇のみを認識するため、労働供給量を増やす。
イ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識し、労働供給量を増やす。
ウ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識せず、労働供給量を変えない。
エ 名目賃金率上昇は認識せず、物価上昇のみを認識するため、労働供給量を減らす。
解説
自然失業率仮説に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。
⾃然失業率仮説とは、マネーサプライが景気や物価を決定するという考え⽅(マネタリズム)を持つフリードマンを中⼼とした経済学者は、通貨供給や⾦利操作などの⾦融政策の重要性を主張し、フィリップス曲線は短期的な話で名⽬賃⾦の上昇を実質賃⾦の上昇と勘違いする貨幣錯覚が⽣じるため、⻑期的には失業率は⾃然失業率と⼀致するというものです。
また、これをグラフにしたものを⻑期フィリップス曲線といい、この説によれば⻑期的にはインフレ率と失業率との間にトレードオフの関係は存在しないこととされています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:その通りです。労働者側の短期における行動としては、名⽬賃⾦の上昇を実質賃⾦の上昇と勘違いする貨幣錯覚が起こるため、労働供給量が増加します。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:誤りです。名目賃金率は上昇しますが、実質賃⾦は上昇しません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。名目賃金率は上昇しますが、実質賃⾦は上昇しません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。名目賃金率は上昇しますが、実質賃⾦は上昇しません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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