今日は、経済学・経済政策 R5(再試) 第13問について解説します。
ある個人が与えられた所得の下で、X財とY財を購入できるものとする。下図には、それぞれ異なる所得に基づく予算制約線 AB と予算制約線 CD が描かれており、また、予算制約線 AB と点 E で接する無差別曲線と、予算制約線 CD と点 Fで接する無差別曲線が描かれている。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア X財、Y財ともに、下級財である。
イ X財、Y財ともに、必需財である。
ウ X財は下級財であり、Y財は上級財である。
エ X財は上級財であり、Y財は下級財である。
オ X財は必需財であり、Y財は奢侈財である。
解説
無差別曲線に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
・所得効果は、平⾏な予算線の間の動きで、価格⽐が変わらず、所得が上昇したとき(もしくは財の値段が下がったことにより実質所得が上昇したとき)の消費量の変化を表します。所得が上昇したとき消費を増やすか、減らすかによって上級財、中⽴財、下級財に分類できます。
上級財は、所得弾⼒性ηが0より⼤きい財で、例えば豪華ディナーやお⽶のように所得が上がると消費が増える性質の財です。このときx3−x2は0より⼤きく、x2よりもx3が右側にきます。
上級財は、豪華ディナーのようなηが1以上の財である奢侈品(しゃしひん)と、お⽶のようなηが0より⼤きく1より⼩さい財である必需品に分類される場合もあります。ちなみに、奢侈品とは、贅沢品という意味です。
・中⽴財は、所得弾⼒性ηが0の財で、所得に関わりなく⼀定の消費が⾏われるタイプの財です。このとき、x3−x2は0、つまり、x2とx3が同じになります。例えば、トイレットペーパーは所得が増えても所得が減っても消費する量は変わらないため、中⽴財と考えることができます。
・下級財は、所得弾⼒性ηが0より⼩さい財で、所得が増えると消費が減るタイプの財です。このときx3−x2は0より⼩さい、つまり、x2よりもx3が左側にきます。例えば、第3のビールは所得が増えると第3のビールを買わずに普通のビールを買うようになり消費が減るため、下級財と考えることができます。
下級財の中でも、所得効果であるx3−x2が代替効果であるx2−x1より⼤きい、つまりx3がx1よりも左側にくる財のことをギッフェン財といいます。ギッフェン財は、下級財の中でも所得効果が特に⼤きい、いわば超下級財で、価格の下落により消費量が減少してしまう⾮常に珍しい財です。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:X財の表記が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:X財Y財の表記が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:X財Y財の表記が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢オ:X財Y財の表記が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢エとなります。
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