今日は経営法務H30第13問のパブリシティ権に関する問題について解説します。
経営法務H30第13問
パブリシティ権に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア パブリシティ権の侵害は、肖像等を無断で使用する行為が専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする場合に成立する。
イ パブリシティ権の侵害は、商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付した場合に認められ、肖像等を商品等の広告として使用する場合には認められない。
ウ パブリシティ権は、会社法に規定されている。
エ パブリシティ権は、競馬の競走馬にも認められる。
解説
パブリシティ権とは、著名人の氏名や肖像など、顧客誘引力のある情報の経済的利益や価値をその本人が独占できる権利のことをいいます。
選択肢アは上記定義を踏まえると、記載されている通り正しいです。
よって、この選択肢が正解です。
念のため、他の選択肢も見ておきましょう。
選択肢イについては、肖像によって商品の顧客誘引力を高め、経済的利益を生む可能性があります。ですから、パブリシティ権が認められる内容です。
よって、この選択肢は誤りです。
選択肢ウについて、パブリシティ権は法的に明文化されたものはなく、判例上確立されてきたものです。
よって、この選択肢は誤りです。
選択肢エについて、パブリシティ権は過去の判例上、人には認められておりますが、動物には認められておりません。
よって、この選択肢は誤りです。
以上から、正解は選択肢アとなります。