【過去問解説(経営法務)】H28 第13問 契約の成立

今日は経営法務のH28第13問について解説します。

H28 経営法務 第13問

契約の成立に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア A市内の会社からB市内の会社に対して有効期間を明記した注文書を郵送で発送した場合、注文書に注文は撤回可能である旨の記載があっても、注文者は注文を撤回することができない。

イ インターネットショッピングでEC電子商取引事業者が顧客からの購買申込みを承諾する通知を電子メールで送信したが、顧客から購買申込みを撤回する電子メールによる通知がされた場合、契約の成否は承諾の通知の発信と申込撤回の通知の到達の先後により決せられる。

ウ 隔地者に対する契約の申込みは、申込みの発信後その到達前に申込者が死亡した場合でも有効であるが、その申込みの相手方が承諾の発信前に申込者の死亡を知った場合には、申込みは効力を失う。

エ 株式会社の代表者同士の対面交渉において承諾期間を定めずに契約の申込みがされた場合、相手方が直ちに承諾しなくても、申込みの効力は有効に存続する。

解説

契約の成立に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、原則として承諾された契約の撤回はできませんが、「注文書に注文は撤回可能である旨の記載」とあるため、法律の規定よりもこの撤回についての合意の方が優先されるため、注文を撤回することができます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イは、電子メールでの契約における意思表示の効力発生時期は、通知が到着した時となります。そのため契約の成否は、承諾の通知の到着と申込撤回の通知の到達の先後によって決まることになります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウは、隔地者に対する契約において、申込みの発信後その到達前に申込者が死亡した場合でも、原則として意思表示は有効となります。ただし、その申込みの相手方が承諾の発信前に申込者の死亡や行為能力の喪失の事実を知っていた場合はには、申込みは効力を失うことになります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エは、商人同士の契約において、承認期間を定めずに対面交渉で契約申込みがされた場合は、相手方が直ちに承諾しなければ、その申込みの効力は失われます。
よって、この選択肢は×です。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

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