【過去問解説(経営法務)】R4 第2問 取締役と監査役の任期

今日は、経営法務のR4 第2問について解説します。

経営法務 R4 第2問

 下表は、会社法が定める監査役設置会社における取締役と監査役の任期をまとめ
たものである。空欄A~Cに入る数値と語句の組み合わせとして、最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。

なお、本問においては、補欠取締役・補欠監査役が取締役・監査役に就任した場
合の任期、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社となるための定款変更、
公開会社となるための定款変更、監査役の監査権限を会計監査に限定する定款変更
等による任期の終了は考慮しないものとする。

また、定款に剰余金配当に関する特段の定めはない。

取締役 監査役
原則 選任後 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで 選任後 4 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで
公開会社ではない会社の特則(任期の伸長) 定款により、選任後 10 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで伸長可能 定款により、 選任後 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで伸長可能
任期の短縮 定款又は株主総会の決議によって短縮可能 定款又は株主総会の決議によって短縮

〔解答群〕
ア A: 1   B: 8   C:不可
イ A: 1   B:10  C:可能
ウ A: 2   B: 8   C:可能
エ A: 2   B:10  C:不可

解説

会社法が定める監査役設置会社における取締役と監査役の任期に関する問題です。

取締役と監査役の任期について、まとめシートでは、「株式会社の機関設計」の項目「役員等」中で

以下の通りまとめています。

取締役は、業務の執行を行う役員で、その任期は2年で短縮も可能です(監査等委員会設置会社を含まない三委員会設置会社の取締役は1年)。ただし、非公開会社では定款で任期を最長10年まで伸長することができます。取締役の解任は株主総会普通決議で決議され、法人や犯罪者は取締役になることができません。また、取締役の報酬は定款または株主総会普通決議で決定されます。株主総会で取締役の個人別の報酬の内容が決定されない場合には、取締役の報酬決定手続きの透明化のため、取締役会がその決定方針を定め、概要を開示しなければなりません。

監査役は、業務の監査や会計監査を行うお目付け役の役員で、その任期は4年で短縮することはできません。ただし、非公開会社では定款で任期を最長10年まで伸長することができます。監査役の解任は、お目付け役を外すことになり、株主に大きな影響を与えるので株主総会特別決議で決議され、法人や犯罪者は監査役になることができません。また監査役の報酬は、定款または株主総会普通決議で決定されます。

以上から、正解は選択肢エとなります。

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