【過去問解説(企業経営理論)】R5 第31問(設問2) D2C(Direct to Consumer)

今日は、企業経営理論のR5第31問(設問2)について解説します。

 令和5 企業経営理論 第31問(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。


食品メーカーA社では、これまで①卸売業者や小売業者を介した間接流通チャネルと電子商取引を用いてきた。近年は多くの食品メーカーが②D2Cに乗り出しており、この動きにどのように対応するかも1つの課題であると考えている。


(設問2 )
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 一般にD2Cとは、卸売業者や小売業者から構成される従来の流通チャネルを介することなく、自社サイトや大手ネットショッピング・モールを通じて、自社の製品を直接消費者に販売することを指す。


イ 米国のスタートアップ企業などが自社サイトを活用して自社の世界観を伝え、顧客との接点を育てながら自社製品を直接販売して急速に成長したのがD2Cの始まりであるが、SNSを積極的に利用することも多くのD2Cに見られる特徴の1 つである。


ウ メーカーがD2Cに進出するためには、自社サイトを構築し、顧客管理、決済システムなどを単独で開発する必要がある。


エ メーカーが流通チャネルを介さずに直接消費者に自社製品を販売することは、従来「メーカー直販」と呼ばれてきた。ほとんどのメーカーは、既存の間接流通チャネルとメーカー直販を両立させ、間接流通チャネルの卸売業者や小売業者の支持を得ながらメーカー直販を拡大してきた。

解説

D2C(ディーツーシー:Direct to Consumer)に関する問題です。
D2Cとは、「メーカーが中間流通を介さずに、自社のECサイトなどを通じ、商品を直接消費者に販売するビジネスのこと」です。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。
上記の定義の通り、自社ECサイトを通じた直接販売は行いますが、大手ネットショッピング・モールを通じた販売はD2Cに含まれません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:その通りです。
D2Cでは自社ECサイト上で販売を行うため、スマホやSNSを積極的に利用して、顧客への直接的なアプローチを行います。また、D2Cは2000年代のアメリカのスタートアップ企業が新しく始めたビジネスモデルであり、前半の内容も正しいです。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢ウ:誤りです。
D2Cに進出するためには、自社サイトの構築、顧客管理、決済システムを単独で開発する必要はありません。外部の業者に開発を依頼したり、市販されている既存の顧客管理システム等を活用することが可能です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。
既存の間接流通チャネルの卸売業者や小売業者の支持を得ながらメーカー直販を拡大することは一般的には困難です。例えば、直販での商品価格を販売店よりも安く設定すると、顧客が直販での購入に流れてしまい、販売店との関係性が悪くなることが考えられます。従って、両立のためには間接流通チャネルに対する様々な調整や気遣いが必要になります。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢イとなります。

 

 

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