【過去問解説(企業経営理論)】R5(再試) 第19問 平均賃金

今日は、企業経営理論のR5(再試)第19問について解説します。

 R5(再試)企業経営理論 第19問

平均賃金に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の 100 分の 60 以上の休業手当を支払わなければならない。
イ 使用者は、就業規則に定めたとしても、労働者が年次有給休暇を取得した日の賃金を平均賃金の算定方法によって算出して支払うことはできない。
ウ 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前 6 カ月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。
エ 平均賃金の額は、賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の合計額を上回らなければならない。

解説

平均賃金に関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。
年次有給休暇を取得した日の賃金は、下記の3つのいずれかの方法により支払う必要があります。
(1)平均賃金
(2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
(3)健康保険法に規定する標準報酬月額の1/30に相当する金額

(1)及び(2)の賃金を原則としますが、(3)の賃金を選択することについて労使協定を締結した場合には、例外的に(3)の賃金を支払うことができることとされています。また、(1)から(3)のいずれの方法により支払うかは、あらかじめ就業規則等に定めておく必要があります。

よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。
平均賃金を算定する計算式の分子は、「算定すべき事由の発生した日以3カ月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額」です。

よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。アルバイトやパートなど、賃金が労働した日若しくは時間によって算定される場合や、出来高払制その他の請負制によって働いている場合、原則どおりの計算方法にすると、平均賃金が著しく低くなり、保護に欠けることがあります。
そこで、平均賃金の算定においては、賃金の全部または一部が、日給・時間給・出来高払い制その他の請負制によって支払われる場合は、最低保障額の計算を行い、原則どおり計算した額と最低保障額とを比較し、いずれか高い額を平均賃金とします。

<最低保証額の計算式>
算定事由が発生した日の直近3ヵ月間に支払われた賃金の総額÷その期間の労働日数×60%

よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

 

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