昨日まで3日にわたってご紹介した2次試験の解答例には、多くの方にアクセスいただき、ありがとうございます。
後日発売予定の『「まとめシート」流! 解法実況(事例Ⅰ~Ⅲ) 令和元度編』では、より詳細な考え方や解き方について解説させていただきたいと思っておりますので、来年の2次試験を受ける予定の方は、ぜひ参考にしてください。
それでは今日は企業経営理論H30第7問について解説します。
H30 企業経営理論 第7問
部品の開発や生産をめぐる完成品メーカーと部品メーカーの取引関係は多様である。そのような取引関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 委託図方式では、部品メーカーが部品の詳細設計を行うので、図面の所有権は部品メーカーに帰属し、部品の品質保証責任は完成品メーカーが負うことになる。
イ 承認図方式では、発注側が準備した部品の詳細設計に基づいて製造できる能力やコストを評価して部品外注先が選ばれる。
ウ 承認図方式や委託図方式では、部品メーカーには製造能力ばかりでなく設計開発能力が要求される。
エ 貸与図方式では、発注側が提示した部品の基本的な要求仕様に対して、部品メーカーは部品の詳細設計を行い、部品を試作し性能評価をすることになる。
オ デザインインでは、部品メーカーは当該部品の開発段階の参加と発注側作成の詳細設計に基づく生産能力が求められるが、設計の外注が発生しないのでコスト負担は軽減される。
解説
完成品メーカーと部品メーカーの取引関係の際、提供される図面の方式について問われています。
貸与図方式、委託図方式、承認図方式は、設計をメーカー、サプライヤのどちらが行うか、図面の所有権がどちらにあるかによって、下の図のように分類されます。
これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの委託図方式では、図面の所有権は完成品メーカーに帰属するため×です。
選択肢イの承認図方式では、部品メーカーが詳細設計を準備するため×です。
選択肢ウは、その通りで、部品メーカーには設計開発能力が求められます。
選択肢エの貸与図方式では、発注側が設計を行いますので×です。
選択肢オのデザインインとは、デザイン・インとは部品メーカーが完成品メーカーと共同開発を行い、自社の部品が使われるよう働きかけることです。
発注側だけが詳細設計を行うわけではないため、この説明は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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